• "積立基金条例"(/)
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  1. 大田区議会 2007-02-22
    平成19年 第1回 定例会-02月22日-01号


    取得元: 大田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-03
    平成19年 第1回 定例会-02月22日-01号平成19年 第1回 定例会 平成19年第1回定例会 大田区議会会議録 第1号 2月22日(木曜日)  出席議員(47名)   1 番 永井敬臣 君     3 番 近藤忠夫 君     4 番 田中一吉 君   5 番 河津章夫 君     8 番 小原直美 君     9 番 海老澤信吉君   10 番 松原秀典 君     11 番 高瀬三徳 君     12 番 鈴木章浩 君   13 番 安藤 充 君     14 番 岸田哲治 君     15 番 大森昭彦 君   16 番 松原茂登樹君     17 番 伊藤和弘 君     18 番 塩野目正樹君   19 番 湯本良太郎君     20 番 有川靖夫 君     21 番 田口 仁 君   22 番 溝口 誠 君     23 番 荒川善夫 君     24 番 高橋 博 君   25 番 飯田 茂 君     26 番 冨田俊一 君     27 番 清波貞子 君   28 番 古山昌子 君     29 番 渡部登志雄君     30 番 松本洋之 君   31 番 丸山かよ 君     32 番 犬伏秀一 君     33 番 山崎勝広 君   34 番 岸田 正 君     35 番 都野圭子 君     36 番 田中 健 君   37 番 荒木秀樹 君     38 番 内田秀子 君     39 番 奈須利江 君   40 番 野呂恵子 君     41 番 金子富夫 君     42 番 沼田秀弘 君   43 番 清水菊美 君     44 番 菅谷郁恵 君     45 番 金子悦子 君   46 番 和田正子 君     47 番 黒沼良光 君     48 番 藤原幸雄 君   49 番 渋谷 要 君     50 番 大竹辰治 君
                  ────────────────────  欠席議員(1名)   7 番 水井達興 君  欠  番   2 番  6 番               ────────────────────  出席説明員   区長            西野善雄    助役            江頭博彦   収入役職務代理者   収入役室参事        西川 泉    経営管理部長        須藤常好   区民生活部長   危機管理担当部長兼務    高橋幾夫    産業経済部長        平野 壽                         保健所長   保健福祉部長        金澤 彰    地域保健担当部長兼務    三好温子   こども育成部長       本間敏幸    まちづくり推進部長     石田隆則   交通事業本部長   交通再開発担当部長兼務   赤阪英夫    清掃部長          山田幸次郎   大田北地域行政センター長  澤田泰博    大田西地域行政センター長  竹村一也   大田南地域行政センター長  根本 敦    大田東地域行政センター長  堤 正廣   経営管理部総務課長     井上 隆    経営管理部企画財政課長   川野正博   教育長           細島德明    教育委員会事務局次長    佐藤喜美男   教育委員会事務局庶務課長  平山政雄               ────────────────────  出席事務局職員   局長       大久保一成        議事担当係長   大谷 隆   議事担当係長   石山雅弘         調査担当係長   北村嘉常 議事日程第1号  平成19年2月22日  午後1時開議  第1   第 6 号議案 平成18年度大田区一般会計補正予算(第5次)   第 7 号議案 平成18年度大田区職員厚生資金特別会計補正予算(第1次)   第 8 号議案 平成18年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第2次)   第 9 号議案 平成18年度大田区介護保険特別会計補正予算(第2次)   第 10 号議案 大田区副区長定数条例   第 11 号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例   第 12 号議案 大田区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例   第 13 号議案 大田区特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例   第 14 号議案 公聴会等に出頭する者の実費弁償条例の一部を改正する条例   第 15 号議案 大田区職員定数条例の一部を改正する条例   第 16 号議案 職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例   第 17 号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例   第 18 号議案 大田区長期継続契約を締結することができる契約を定める条例   第 19 号議案 財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の一部を改正する条例   第 20 号議案 大田区財産価格審議会条例の一部を改正する条例   第 21 号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例   第 22 号議案 大田区積立基金条例の一部を改正する条例   第 23 号議案 大田区副収入役設置に関する条例を廃止する条例   第 24 号議案 大田区議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例   第 45 号議案 土地の取得について   第 46 号議案 特別区人事及び厚生事務組合規約の一部を変更する規約に関する協議について   第 47 号議案 特別区競馬組合規約の一部を変更する規約に関する協議について   第 48 号議案 包括外部監査契約の締結について   報告第 1 号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について   報告第 2 号 仮称大森ふるさと浜辺公園整備工事その1(連絡橋等)請負契約の専決処分の報告について   報告第 3 号 仮称大田区立萩中二丁目知的障害者通所授産施設新築工事請負契約の専決処分の報告について   報告第 4 号 大田区立梅田小学校体育館改築その他工事請負契約の専決処分の報告について  第2   第 49 号議案 大田区大田西地域行政センター新築工事請負契約について  第3   第 25 号議案 大田区立生活センター条例の一部を改正する条例   第 26 号議案 大田区特別区税条例の一部を改正する条例   第 27 号議案 大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例   第 28 号議案 大田区中小企業融資あつせん審査会条例の一部を改正する条例   第 50 号議案 臨海部広域斎場組合規約の一部を変更する規約に関する協議について  第4   第 29 号議案 大田区立知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例   第 30 号議案 大田区保健所及び衛生検査所使用条例の一部を改正する条例   第 31 号議案 大田区感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例   第 32 号議案 大田区衛生検査所設置条例を廃止する条例  第5   第 33 号議案 大田区特別区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例   第 34 号議案 大田区公共物管理条例の一部を改正する条例   第 35 号議案 大田区立公園条例の一部を改正する条例   第 36 号議案 大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例   第 37 号議案 大田区立大森ふるさと浜辺公園条例   第 38 号議案 大田区営住宅条例の一部を改正する条例   第 39 号議案 大田スタジアム条例の一部を改正する条例   第 40 号議案 大田区立多摩川田園調布緑地条例の一部を改正する条例   第 51 号議案 東京二十三区清掃一部事務組合規約の一部を変更する規約に関する協議について  第6   第 41 号議案 大田区乳幼児及び義務教育就学児の医療費の助成に関する条例   第 42 号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例   第 43 号議案 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   第 44 号議案 大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例  第7   第 1 号議案 平成19年度大田区一般会計予算   第 2 号議案 平成19年度大田区職員厚生資金特別会計予算   第 3 号議案 平成19年度大田区国民健康保険事業特別会計予算   第 4 号議案 平成19年度大田区老人保健医療特別会計予算   第 5 号議案 平成19年度大田区介護保険特別会計予算                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                     午後1時開会・開議 ○副議長(高橋博 君) 議長にかわり、副議長が議長の職務を行います。  ただいまより平成19年第1回大田区議会定例会を開会いたします。  これより本日の会議を開きます。                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(高橋博 君) まず、会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第131条の規定に基づき、本職より指名いたします。26番冨田俊一議員、30番松本洋之議員にお願いいたします。                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(高橋博 君) この際、区長より発言の申し出がありますので、これを許します。
                     〔区長西野善雄君登壇〕(拍手) ◎区長(西野善雄 君) 本日、平成19年第1回大田区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位のご参集を賜り、厚く御礼申し上げます。  昨年の冬は記録的な豪雪、今年は一転して暖冬となりました。気温にして平年とはわずかの差とはいえ、暖かいお正月は、お正月ではないような、どこか感覚的な違和感を覚えました。北半球の平均気温が12月と1月の2か月連続でこれまでの最高を記録したとのことであります。地球的規模で進行している深刻な事態のあらわれであるようにも感じます。私たちの時代で地球の資源も環境も使いつぶしてしまってよいわけはありません。未来の世代に引き継いでいくため、一人ひとりが今できることから積極的に取り組んでいくことを呼びかけたいと思います。  景気は、先行きの不透明感が常に警戒されながら、いざなぎ超えの後もおおむね拡大基調を続けております。企業の厳しい体質改善、二極化、少子高齢化の急速な進展など、社会経済構造が著しく変化する中で、区民の皆さんの生活や区政運営に解決すべき課題が次々と生まれているように感じています。  昭和22年3月15日、大田区は誕生いたしました。今年で60周年を迎えます。この年は、23の特別区が現在の形になった年でもあります。東京23区に住む多くの区民の方々が、現在の区に対し強い愛着をお持ちであることは十分承知しております。何より私自身が、大田区に対してだれにも負けない愛情を持っております。  しかし、一方で、23区もその時々の社会情勢のありようの中で変化をしてまいったのであります。真の分権型社会を目指していく中で成長し、さらにこれから成長していこうとする23区が、60年前の器のままでよいのかという議論は、今後、恐らく避けて通ることのできない問題だと思います。社会の構造変化、環境問題、人口構成の激変、世界へのかかわり方など、時には大きな視点、事に当たっては住民一人ひとりの問題をとらえ、自立的に解決できる力量を備えた自治体への変化を今求められていると考えます。  このたび、都区の役割分担の原則に基づいて財源配分を決めるべきであるという、これまでの区側の主張に基づき、都区のあり方の検討が開始されることになりました。都区共同で設置いたしました検討会により、平成20年度末を目途に、基本的方向について取りまとめることにしております。特別区が新しい時代に適切に機能していくために、都区の関係を含め、どのようなものがふさわしいか、23区の再編も視野に入れた積極的な議論を期待するものであります。  東京が元気でなければ地方の活性化もありません。その元気の源が東京の中心である23区であるなら、特別区はもっともっと頑張らなければならないのではないでしょうか。特別区は今に安住することなく、それぞれがきらり光り輝く自治体となることを目指し、変化に立ち向かう勇気と行動が必要であると考えます。  平成19年度都区財政調整につきましては、調整3税の区側の配分が3%アップとなる、配分率55%で合意いたしました。その内訳は、三位一体改革の影響への対応としての2%、東京都から特別区へのさらなる事務移管の方向性が出されたことを踏まえ、先行的に東京都の補助事業の一部を特別区の自主事業とすることにより、特別区の自治の拡充に資することとして、さらに1%アップをいたしました。基礎的自治体として、事務事業に見合った財源確保を主張してきた立場からは、一定の評価ができるものと考えております。  この配分割合の3%アップに加え、市町村民税法人分の大幅な増収等により、23区への交付金の総額は過去最高の9700億円余となり、大田区への交付額はおよそ700億円となりました。  緊急プロジェクトおおた“はばたき”プログラムは、平成15年9月に、地域の再生を考え、緊急に取り組む課題として実施計画に先立ち策定し、産業、子育て、教育、雇用創出の4分野の施策を重点的に進めるものといたしました。18年度は実施計画とともに最終年度でございます。まだ年度途中ではございますが、概括的にご報告をいたします。  実施計画は、75事業のうち71事業につき当初の計画内容を達成し、おおた“はばたき”プログラムは、各分野合わせて42事業中40事業で、現在までのところ大きな成果を上げることができたと考えております。  外部監査につきましては、昨年度に引き続き公認会計士の中井恭子氏に包括外部監査をお願いし、本年度は「高齢者施設の管理運営について」というテーマで実施いただきました。今月2日にその結果報告と数々の貴重なご意見をちょうだいいたしました。これらにつきましては、適切に対処し、さらに区民の信頼にこたえる区政を実現してまいります。平成19年度も引き続き実施するため、契約締結についての議案を提出させていただきました。よろしくご審議をお願いいたします。  大田区国民保護計画を策定いたしましたので、本定例会に議案としてご報告いたします。本計画は、武力攻撃事態や大規模テロ等が発生した際に、区民の生命、身体及び財産を保護し、これに及ぼす影響を最小限にとどめるために、国民保護法等により本年度中に作成すべきものとされております。  施策を総合的に推進するため、計画案の作成段階から、関係機関、公共事業者、有識者などで構成する国民保護協議会によるご審議、区民の皆さんからのご意見の募集、都知事協議という過程を経て本計画を決定いたしました。今後、本計画に基づき、関係機関と相互に連携、協力し、避難や救援等の国民保護措置を迅速かつ的確に実施できるよう、万全を期してまいりたいと考えます。  羽田空港跡地につきましては、昨年12月4日に開催されました羽田空港移転問題協議会におきまして、跡地の範囲として面積約53ヘクタールの正式提案を受けました。今後、区議会及び地元の皆さんなどのご意見を踏まえ跡地の範囲を確定し、国、東京都、大田区の三者による開発素案など共同調査を進めてまいります。また、大田区としても羽田空港跡地一部を取得し、魅力ある拠点として整備を進めるため、19年度予算に羽田空港対策積立基金の積立金40億円を計上しました。  次に、平成19年度予算案の概要について申し上げます。  平成19年度の予算案は、4月に区長選挙を控えていることから、一部内容的に留保した部分もありますが、行政の継続性を確保し、区民サービスに支障を来さないことに配慮し編成をいたしました。  初めに、歳入について申し上げます。  特別区税は、定率減税の廃止や納税者の増加等により62億4000万円余の増、特別区交付金は、先ほど申し上げましたが、景気が回復基調にある中で、市町村民税法人分の増収が見込まれることに加え、区に対する配分率が52%から55%に変更になったことなどから88億2000万円余の増となると見込んでおります。国庫支出金は、公園整備に伴う増額などにより17億5000万円余の増としております。特別区債は、将来にわたる財政負担の軽減に配慮し、京浜急行線連続立体交差事業に係る負担金と公園用地購入費などに絞り、17億7000万円余の減といたしました。  次に、歳出について申し上げます。  団塊世代の退職や少子高齢化の進展など、人口構成が大きく変化するとともに、羽田空港の国際化を目前に控えるなど、大田区を取り巻く環境は大きく変化をしており、これに伴う新たな行政需要への対応が求められております。また、学校や総合体育館などの公共施設の建て替え需要に対しても対応していく必要がございます。  重点施策の第1といたしまして、子供たちが輝く地域づくりに取り組んでまいります。こども医療費助成事業の拡大、第3子以降の出産こども一時金の創設、保育所の定員拡充、病後児保育の拡充、子ども家庭支援センター大森の開設を行います。  教育の分野では、小学校へのスクールカウンセラー全校派遣、考える力を伸ばす理科特別支援員の配置、学校図書室の整備を実施いたします。  重点施策の第2としては、生涯いきいき健康づくりに取り組みます。介護予防事業、生活習慣病健康診査などの拡大、成人歯科健診の対象年齢の拡大などの予防と対策に重点を置いた事業を展開してまいります。  重点施策の第3といたしまして、未来につなげるまちづくりに取り組んでまいります。未来核羽田や中心核のまちづくりを進め、区民の触れ合い空間の確保や活力ある地域づくりに取り組んでまいります。また、東西鉄道蒲蒲線整備促進事業京浜急行線連続立体交差事業の推進をしてまいります。  そのほかの主要施策では、高齢者の安心な暮らしのための各種施設の整備を行います。また、虐待防止、虐待発生時の迅速、適切な対応を行ってまいります。  障害のある方々のために、施設通所サービス利用者負担の軽減、働く場と日常生活能力向上を支援するはぎなか園を開設いたします。  大田区産業の維持発展に向けては、地域のメリットを最大限に生かした新産業の創出や新分野への進出、経営革新などの支援を行ってまいります。  耐震改修の助成や橋梁の耐震補強、アスベスト対策などを推進し、地震災害や災害対策の充実を図り、安全・安心なまちづくりを進めます。  また、区民の方々の自主的な文化・スポーツ活動を応援するための施設の充実などを図ります。大森ふるさとの浜辺公園に(仮称)海苔資料館を建設するなど、区内に残る自然環境を未来に引き継ぐ大切な財産として整備し、有機的な活用を図ってまいります。  これらの新規あるいは充実事業を含んだ平成19年度一般会計予算は、平成18年度当初予算対比4.5%増、2147億1300万円余となりました。  国民健康保険事業特別会計は687億9500万円余、対前年比12.2%増、老人保健医療特別会計は507億1300万円余、対前年比1.8%の減、介護保険特別会計は308億4800万円余で、対前年比4.5%の増と相なりました。  平成18年度一般会計第5次補正予算につきましては、歳入歳出とも95億7100万円余を増額いたしました。歳出の主なものは、国民健康保険事業特別会計への繰出金を減額し、京急蒲田駅東口駅前広場用地取得池上図書館用地取得公共施設整備資金積立基金積立金、簡保資金の繰り上げ償還のための経費などを増額いたしております。また、減債基金への積立金も計上いたしました。歳入につきましては、特別区交付金、繰入金などを増額し、諸収入などを減額いたしております。以上の結果、補正後の予算額は、歳入歳出とも2274億3600万円余と相なりました。  今年は、4月8日に東京都知事選挙、同じく22日には区議・区長選挙が予定されております。地方分権の流れの中で、身近な自治体、大田区政への関心の高まりを大いに期待いたしております。私ごとではございますが、今回の区長選挙には出馬いたさないことにさせていただきました。改めてご報告を申し上げます。5期20年にわたり大田区長を務めさせていただきましたが、次の世代に引き継ぐよい頃合いと判断をいたしたものでございます。本当に多くの皆さん方に支えていただき、ここまでやってくることができました。区民の皆さん、区議会議員の皆さん、関係者の皆様方、そして多くの職員の皆さんに、この場をおかりして心よりお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。(拍手)  本日より始まる本定例会が私にとりましては区長としての最後の定例会となります。様々な思いが去来いたします。整理し切れないほど多くの貴重なものが詰まっております。取りとめないことではございますが、その一端をおつき合いいただければ大変ありがたいと存じます。  昭和26年12月、大田区役所に入りました。私の地方自治は、肩からかばんをぶら下げ、靴底をすり減らして区民の皆さんのお宅を訪問し、区民税をお預かりする仕事から始まりました。つい昨日のことのように思い起こします。昭和56年に企画部長から助役に就任し、2期目の途中で前天野区長が急逝されました。急きょ62年2月の区長選に立候補し、当選させていただき、第5代大田区長を務めさせていただくことになりました。  間もなく平成へと年号が変わるこの時期は、いわゆるバブル経済が絶頂を迎えようとするときでありました。国鉄の分割民営化が行われ、国鉄の累積債務整理のために、後にこの庁舎が建つ蒲田駅貨物ヤード跡地が一般競争入札に付されることとなる、一連の流れが大田区を巻き込もうとしている、まさにその前夜でございました。思い返せば、日本中が熱に浮かれていたような時代でもあります。貨物ヤード跡地は、どのような活用をしても資金回収不可能かと思える、予想をはるかに上回る高額で落札され、これを契機に、まるでパンドラの箱があけられたかのように日本中の地価が沸騰していきました。この入札に絡んで、当時、大田区長である私は、日本中から注目され、連日テレビのインタビュー、新聞の取材の対応に忙しかったことを思い出します。  その後、この地に建設された、土地、建築費ともで900億円余を超える旧KBK蒲田ビルを、平成8年に173億円余で取得することになります。当時、大田区を二分する議論で沸き返る中、下した決断でもありました。老朽化した大森の旧本庁舎から交通至便の蒲田駅前に新たな区の拠点を移すことができたことなどを考えますと、この決断は決して間違いではなかった、今もそのように考えます。  そのような時代ではありましたが、手元の記録をたどりますと、別世界にいるかのように堅実な区政を進めていたことに驚きを覚えます。私には、現在まで真っすぐ続く1本の道に見えます。当時、大田区基本構想に込めた21世紀の都市像「安全で快適な、活力と思いやりのある、文化・福祉都市」大田区の実現を目指すことを目標に掲げ、区政を推進いたしました。  大田区は産業のまちであります。これをさらに活性化するために産業振興の専管部局を設置し、様々な施策に取り組みました。平成7年に財団法人大田区産業振興協会を設立し、産業支援の拠点施設として京急蒲田駅前に産業プラザを開設しております。また、自治体としては全国的にも珍しい大田区産業のまちづくり条例を制定させていただきました。  高齢化社会の進行に伴い、いち早く対処しております。63年に特別養護老人ホーム羽田羽田在宅サービスセンターを開所し、2期以降もこれを引き継ぎ、現在では区内に特別養護老人ホーム6か所、在宅サービスセンター12か所を設置いたしております。  文化的事業や国際交流にも力を注ぎました。昭和62年に財団法人大田区文化振興協会を設立し、東急下丸子駅前に当時最新鋭の音響施設を備えた区民プラザを開設、その後、蒲田駅前にアプリコを開設いたしております。  モース博士の取り持つご縁で、平成3年にアメリカセーラム市と姉妹都市提携、また、平成10年には北京市朝陽区と友好都市提携を結び、相互交流を現在も続けております。  毎年8月15日に実施しております平和都市宣言記念の多摩川河川敷でのコンサートと花火の夕べや、OTAふれあいフェスタの前身でありますOTA夢博の開催も就任したときからのことでございます。花火の夕べは、平和を願う気持ちを多くの区民の方々と共有し、語り合うイベントとしてすっかり定着いたしました。今ではフェスタの方は、大田区民の約半分にも上る30万人を超える方々が参加する巨大なイベントに成長し、区民の交流、ふれあいの場として親しまれております。  区政の体質改善と区民サービスの向上に積極的に取り組んでまいりました。平成6年、事務事業等適正化計画を発表し、現在、第3次の計画に引き継がれ、経費削減、区民満足度の向上に効果を上げております。定数削減によるスリムな区役所の実現により、2007年問題と言われる大量退職時代を迎え、退職手当債を発行する自治体が相次ぐ中、大田区においては、19年度予算においても0.5%増という微増にとどめることができます。  平成6年度6264人であった職員定数は、この間に都からの清掃事務移管の411人を受け入れましたが、平成19年度には5000人を割り込む定数条例を提案しております。人件費や委託等による平成7年度から18年度までの経費削減効果の累計は約800億円に上っております。  このような将来を見据えた積極的な経営改善に努めた成果により、全国の地方自治体の財政硬直化が懸念される中、大田区の財政基盤はより強固なものとなっております。  平成11年から京浜急行連続立体交差事業の取り組みが始まり、平成12年度は平和島運河公有水面埋立の免許を取得し、ふるさとの浜辺公園整備に着手いたしました。気がつけば、数次にわたる自治権拡充による事務移管等があり、20年前には考えられなかった事業を区が行うようになっています。  平成12年の都区制度改革においては、特別区長会会長として特別区の自治権拡充に取り組み、清掃事業の事務移管を実現しました。最後の今期、昨年8月、前品川区長の急逝により再び特別区長会会長を務めることとなり、都区のあり方検討会の立ち上げにかかわり、真の分権型社会の担い手として、新たな23区の形を模索する、その道筋をつける役割を担うことになりました。感慨深く感じております。  この間、平成13年には大田区長期基本計画おおたプラン2015を策定し、さらに一段と高い豊かな大田のまちづくりを目指した安心・輝き・潤いのまちづくりを進めてまいりました。  職員の時代から通算して56年の長期にわたり地方自治に取り組んでまいりました。先ほど申し上げました1期目の区長就任のときから歩いてまいりました1本の道は、堅実な努力を着実に積み上げてきた道であったと思います。これが地方自治の王道であると信じ、その道を派手さはなくとも着実に踏みしめてまいりました。  毎日の仕事は、地味で苦労の多い仕事ではありますが、それでも今も清新な気持ちで日々の仕事に取り組むことができます。それは、人々が幸せに暮らし、豊かに生きたいという願いをどうすれば確かな形にできるかを日々考え続ける仕事であったからではないかと思います。変化する情勢の中で、工夫し、議論し、知恵を重ね、最良の施策を選び取っていく。決断のときに、肩にのしかかる重さに耐えがたいこともございました。しかし、毎日がチャレンジであり、やりがいのあるものでございました。  地方自治は、地域で生活する、また活動する区民の皆さんとともにつくり上げていくものであると考えております。私にとりまして、区民の方々の笑顔や温かいお気持ちを感じるときがご褒美でありました。数え切れない笑顔を思い起こします。一方で、不安な顔も、悩んだ顔も、怒りの顔もありました。力が足りなかったことにおわびを申し上げなければならないこともございます。努力し、新たな取り組みで失点を取り返すことも努力いたしました。しかし、権限と財源の現実的な壁は、そのような努力だけでは越えることができません。自治権拡充という形で確かにわずかずつ広くなってきましたが、区民の豊かな生活づくりのために、まだまだ拡充が必要であると考えます。地方分権がさらに進展することにより、さらに多くの区民の方々の笑顔の輪が広がり、満足度が深まっていくものと信じております。  区民の方々の幸せに資する地方自治の力、私はそれを信じております。長期にわたり地方自治が成長していく姿を間近で見、身をもって感じてまいった次第でございます。まいた種は必ず芽を出し、心を込めて育てることで大きな実をつけるものと信じます。私も今後は一区民として、大田区を、地方自治を、皆さんと力を合わせて育ててまいりたいと思います。その意味では、これは大田区政とのお別れではなく、新たな一歩への始まりであると、このように申し上げたいと存じます。今後とも、大田区政の発展のため、皆様方のさらなるご尽力を心よりお願い申し上げます。  本定例会に提出いたしました案件は、平成19年度大田区一般会計予算案など予算案件9件、条例案件35件、報告議案4件、その他の議案7件でございます。いずれも後ほど上程の際、順次ご説明申し上げますので、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げ、招集のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(高橋博 君) 事務局長に諸般の報告をさせます。                    〔大久保事務局長朗読〕 1 大田区議会定例会の招集について 2 議案の送付について 3 執行機関の出席について(2件) 4 議案の訂正について               ────────────────────                                         18経総発第11287号                                         平成19年2月15日  大田区議会議長    水 井 達 興  様                                 大田区長  西 野 善 雄                大田区議会定例会の招集について(通知)  平成19年2月15日付け大田区告示第59号により、平成19年第1回大田区議会定例会を下記のとおり招集したので通知します。                         記 1 期    日 平成19年2月22日 2 場    所 大田区議会議場               ────────────────────                                         18経総発第11287号                                         平成19年2月15日  大田区議会議長    水 井 達 興  様                                 大田区長  西 野 善 雄                     議案の送付について  平成19年第1回大田区議会定例会に付議する次の議案を別紙のとおり送付します。 第 1 号議案 平成19年度大田区一般会計予算 第 2 号議案 平成19年度大田区職員厚生資金特別会計予算 第 3 号議案 平成19年度大田区国民健康保険事業特別会計予算 第 4 号議案 平成19年度大田区老人保健医療特別会計予算 第 5 号議案 平成19年度大田区介護保険特別会計予算 第 6 号議案 平成18年度大田区一般会計補正予算(第5次) 第 7 号議案 平成18年度大田区職員厚生資金特別会計補正予算(第1次) 第 8 号議案 平成18年度大田区国民健康保険事業特別会計補正予算(第2次) 第 9 号議案 平成18年度大田区介護保険特別会計補正予算(第2次) 第 10 号議案 大田区副区長定数条例 第 11 号議案 大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 第 12 号議案 大田区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 第 13 号議案 大田区特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例 第 14 号議案 公聴会等に出頭する者の実費弁償条例の一部を改正する条例 第 15 号議案 大田区職員定数条例の一部を改正する条例 第 16 号議案 職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例 第 17 号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 第 18 号議案 大田区長期継続契約を締結することができる契約を定める条例
    第 19 号議案 財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の一部を改正する条例 第 20 号議案 大田区財産価格審議会条例の一部を改正する条例 第 21 号議案 大田区手数料条例の一部を改正する条例 第 22 号議案 大田区積立基金条例の一部を改正する条例 第 23 号議案 大田区副収入役設置に関する条例を廃止する条例 第 24 号議案 大田区議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例 第 25 号議案 大田区立生活センター条例の一部を改正する条例 第 26 号議案 大田区特別区税条例の一部を改正する条例 第 27 号議案 大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例 第 28 号議案 大田区中小企業融資あつせん審査会条例の一部を改正する条例 第 29 号議案 大田区立知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例 第 30 号議案 大田区保健所及び衛生検査所使用条例の一部を改正する条例 第 31 号議案 大田区感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例 第 32 号議案 大田区衛生検査所設置条例を廃止する条例 第 33 号議案 大田区特別区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例 第 34 号議案 大田区公共物管理条例の一部を改正する条例 第 35 号議案 大田区立公園条例の一部を改正する条例 第 36 号議案 大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例 第 37 号議案 大田区立大森ふるさと浜辺公園条例 第 38 号議案 大田区営住宅条例の一部を改正する条例 第 39 号議案 大田スタジアム条例の一部を改正する条例 第 40 号議案 大田区立多摩川田園調布緑地条例の一部を改正する条例 第 41 号議案 大田区乳幼児及び義務教育就学児の医療費の助成に関する条例 第 42 号議案 大田区立保育園条例の一部を改正する条例 第 43 号議案 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第 44 号議案 大田区立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 第 45 号議案 土地の取得について 第 46 号議案 特別区人事及び厚生事務組合規約の一部を変更する規約に関する協議について 第 47 号議案 特別区競馬組合規約の一部を変更する規約に関する協議について 第 48 号議案 包括外部監査契約の締結について 第 49 号議案 大田区大田西地域行政センター新築工事請負契約について 第 50 号議案 臨海部広域斎場組合規約の一部を変更する規約に関する協議について 第 51 号議案 東京二十三区清掃一部事務組合規約の一部を変更する規約に関する協議について 報告第 1 号 区の義務に属する損害賠償額決定に係る専決処分の報告について 報告第 2 号 仮称大森ふるさと浜辺公園整備工事その1(連絡橋等)請負契約の専決処分の報告について 報告第 3 号 仮称大田区立萩中二丁目知的障害者通所授産施設新築工事請負契約の専決処分の報告について 報告第 4 号 大田区立梅田小学校体育館改築その他工事請負契約の専決処分の報告について               ────────────────────                                          18経総発第11394号                                          平成19年2月15日  大田区議会議長    水 井 達 興  様                                 大田区長  西 野 善 雄                  執行機関の出席について(通知)  平成19年2月15日付け18大議発第10523号により要請のあった平成19年第1回大田区議会定例会における執行機関の出席者を次のとおり通知します。                          収入役職務代理者   助役            江 頭 博 彦  収入役室参事       西 川   泉                          区民生活部長   経営管理部長        須 藤 常 好  危機管理担当部長兼務   高 橋 幾 夫   産業経済部長        平 野   壽  保健福祉部長       金 澤   彰   保健所長   地域保健担当部長兼務    三 好 温 子  こども育成部長      本 間 敏 幸                          交通事業本部長   まちづくり推進部長     石 田 隆 則  交通再開発担当部長兼務  赤 阪 英 夫   清掃部長          山 田 幸次郎  大田北地域行政センター長 澤 田 泰 博   大田西地域行政センター長  竹 村 一 也  大田南地域行政センター長 根 本   敦   大田東地域行政センター長  堤   正 廣  経営管理部総務課長    井 上   隆   経営管理部企画財政課長   川 野 正 博               ────────────────────                                          18教庶発第12234号                                           平成19年2月15日  大田区議会議長    水 井 達 興  様                          大田区教育委員会委員長  櫻 井 光 政                  執行機関の出席について(通知)  平成19年2月15日付け18大議発第10523号により要請のあった平成19年第1回大田区議会定例会における執行機関の出席者を次のとおり通知します。   教育長           細 島 德 明   教育委員会事務局次長    佐 藤 喜美男   教育委員会事務局庶務課長  平 山 政 雄               ────────────────────                                          18経総発第11403号                                          平成19年2月20日  大田区議会議長    水 井 達 興  様                                大田区長  西 野 善 雄                     議案の訂正について  先に提出しました第17号議案職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例について、次の表のとおり誤りがありましたので、議案の差し替えを許可願います。 ┌───────┬──────────────────┬──────────────────┐ │訂正箇所   │正                 │誤                 │ ├───────┼──────────────────┼──────────────────┤ │条例第11条の改│第11条の見出しを「(特定危険現場業 │第11条の見出しを「(特定危険現場業 │ │正文     │務手当)」に改め、同条第1項中「特定│務手当)」に改め、同条第1項中「特定│ │       │危険現場等業務手当」を「特定危険現場│危険現場等業務手当」を「特定危険現場│ │       │業務手当」に改め、同項第1号を削り、│業務手当」に改め、同項第1号を削り、│ │       │同項第2号を同項第1号とし、同項第3│同項第2号を同項第1号とし、同項第3│ │       │号を同項第2号とし、同項第4号中「私│号を同項第2号とし、同項第4号中「私│ │       │道排水設備助成に伴う工事のための調査│道排水設備助成に伴う工事のための調査│ │       │業務又は」を削り、「若しくは」を「又│業務又は」を削り、「若しくは」を「又│ │       │は」に改め、同号を同項第3号とし、同│は」に改め、同号を同項第3号とし、同│ │       │項第5号を削り、同条第2項第1号を削│項第5号を削り、同条第2項第1号を削│ │       │り、同項第2号中「前項第2号」を「前│り、同項第2号中「前項第2号」を「前│ │       │項第1号」に、「410円」を「400円」に│項第1号」に、「410円」を「400円」に│ │       │改め、同号を同項第1号とし、同項第3│改め、同号を同項第1号とし、同項第3│ │       │号中「前項第3号」を「前項第2号」に│号中「前項第3号」を「前項第2号」に│ │       │、「410円」を「400円」に改め、同号を│、「410円」を「400円」に改め、同号を│ │       │同項第2号とし、同項第4号中「前項第│同項第2号とし、同項第4号中「前項第│ │       │4号」を「前項第3号」に改め、同号を│4号」を「前項第3号」に改め、同号を│ │       │同項第3号とし、同項第5号を削り、同│同項第3号とし、同項第5号を削り、同│
    │       │条を第9条とする。         │条9条とする。           │ │       │                  │                  │ └───────┴──────────────────┴──────────────────┘                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(高橋博 君) 次に、会期についてお諮りいたします。この定例会の会期は、本日より3月9日までの16日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(高橋博 君) ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(高橋博 君) 次に、議案の訂正の許可について申し上げます。ただいま事務局長に報告させましたとおり、第17号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例について、区長より訂正願が提出されました。本件については、議長において許可いたしましたので、ご了承願います。                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(高橋博 君) これより質問に入ります。  松原秀典議員、溝口 誠議員、藤原幸雄議員、山崎勝広議員、奈須利江議員、金子富夫議員、荒川善夫議員、伊藤和弘議員、渡部登志雄議員、和田正子議員、渋谷 要議員、大森昭彦議員、塩野目正樹議員、湯本良太郎議員、安藤 充議員、田中 健議員、犬伏秀一議員、野呂恵子議員、有川靖夫議員より通告がありますので、順次これを許します。  まず、10番松原秀典議員。                  〔10番松原秀典君登壇〕(拍手) ◆10番(松原秀典 君) 自由民主党大田区議団を代表し、質問通告に基づき、順次質問させていただきます。西野区長をはじめとする関係理事者の明快なるご答弁をよろしくお願い申し上げます。なお、先ほどの区長のごあいさつの中に重複する部分もございますが、ご容赦のほどよろしくお願い申し上げます。  1月の内閣府の月例経済報告によりますと、我が国の経済は、企業収益の改善を受け、設備投資が緩やかに増加するとともに、景気は回復を続けています。先行きにつきましても、世界経済の着実な回復が続く中、企業、家計部門ともに改善が続き、雇用情勢も改善の広がりが見られ、改革の加速、深化と、政府、日本銀行の一体となった取り組み等により、物価の安定のもとでの自律的、持続的な経済成長が実現するという政府の景気判断がなされているところです。  しかし、景気拡大期間がいざなぎ景気を超え、戦後最長となったとはいえ、国民一人ひとりにはその実感が乏しいのが現状です。少子高齢化の進展により総人口が減少に転じ、人口構成も大きく変化し、稼働労働人口の減少が進むことなどを考え合わせますと、今までのような右肩上がりの成長の時代は望めないという前提に立って将来を見据えていく必要があります。小さな政府の実現や、機会平等な公正な競争原理による豊かな社会の実現を目指す構造改革をさらに推進していかなければなりません。  さて、行財政システムにおける構造改革の中心的テーマの一つに地方分権の推進があります。さきの臨時国会におきまして地方分権改革推進法が成立し、いよいよ本格的に第2期地方分権改革がスタートすることになりました。ご存じのとおり、中央集権システムから地方分権システムへの転換の目的は、経済成長による欧米へのキャッチアップに邁進してきた成長重視の社会から、生活重視のゆとりと豊かさを実感できる社会の実現にあり、地方分権の第2段階においては、道州制の導入など制度の再構築についての議論が加速的に進められることが予想されます。  このような中で、23区の特別区におきましても、現行の都区制度を前提とした議論ではなく、都区の役割分担や税財政制度や特別区の区割りについてまで根本的に見直しを行うことを目的とした都区のあり方検討会が都区合同で設置されたことは、ようやく特別区において歴史的な大転換期に入ったことを意味します。活発な議論を期待するところでございます。  そこで、まず、1月31日に開催されました都区のあり方検討会での検討の方向性やスケジュールなどについて、具体的にどのような協議がなされたのか、お伺いいたします。  平成19年度の予算案が示されました。自治体財政を取り巻く環境は大きく変化をしてきました。バブルの時代からさかのぼれば、自治体の財政状況は豊かな時代で、全国各地で身の丈に似合わないような様々な大規模施設やテーマパークがつくられ、巨額な財源が投資された時期もありました。しかし、急激に訪れたバブルの崩壊は、自治体の放漫な財政運営に大きな打撃を与えました。北海道夕張市の財政破綻がその象徴と言えましょう。  その中で、財政改善を進め、努力をしてきた自治体は、厳しい時代を乗り越え、足腰も強化し、将来に対しても安定した力を持つことができていると思われます。大田区におきましては、昨年9月に公表された平成17年度の普通会計決算の速報値や、12月の区報の17年度の決算報告にあるように、借金である区債残高が毎年減少していること及び将来の行政需要や区債の償還に備えた基金の積み立てが順調に推移していることなど、健全な財政運用がなされているものと考えられます。  19年度予算案では、その規模は一般会計で2147億円強と、18年度と比べて約92億円、4.5%の増加となっております。これは、減税補てん債の借り換え分などの特殊要因を除くと、平成14年度以降連続で前年度当初予算を上回っており、このことは、今後、大田区のまちづくりの進展や区民福祉の向上を図っていくために大変好ましい状況であると思われます。  そこで、19年度の財政状況をどう分析して予算編成に当たられたのか、概略をお伺いいたします。  次に、歳入ですが、特別区税を見ますと、18年度から62億円余、率にして10%の大幅な増加となっております。これは、今まで3段階であった住民税率が一律10%に変わる、いわゆるフラット化と、定率減税の廃止によるほか、景気回復による所得の伸びなども影響しているものと考えられます。  税制改革等の影響について、それぞれどの程度の増加を見込んだのか、また、住民税のフラット化については、結果として多くなった大田区の納税義務者の数と税収はどれくらいになると予想しているのか、お聞かせください。  あわせて、収納率についてお伺いいたします。フラット化や定率減税廃止が収納率にどのように影響すると考えているのか、お尋ねいたします。  歳入の大きな特徴として、特別区交付金の対前年度増加額が88億円余と14.5%の増加となっていることが挙げられます。これは、景気回復基調の中で、市町村民税法人分の増収が見込まれることに加えて、区に対する配分割合が52%から55%に変更になったことが大きな原因であると思われます。昨年の都区財政協議では、すんなりと納得できる結果ではありませんでしたが、今回の結果は、基礎的自治体として区民に直結した行政サービスを提供する23区の特別区にとって、大きな前進だったと考えられます。しかし、割合が55%に固定化されたまま、移管される事務負担がふやされるのではないかなどの将来に向けての課題もあります。  この間、区長は特別区長会の会長として都と協議をされてきましたが、この配分割合に至った経過と、結果に対する区長の評価についてお伺いいたします。  次に、昨年度より66%の大幅な減少となった特別区債について質問いたします。昨年度から減税補てん債の発行を見合わせ、特別区民税や特別区交付金などの一般財源の伸びを反映した結果、将来にわたる財政負担の軽減に配慮し、大田区の重要課題である京浜急行連続立体交差事業に係る事業費と公園用地購入などに絞り、発行抑制をしたものと受け止めています。  一方、今年度も発行し、人気を寄せているドリーム債は、財源の確保という観点からだけでなく、区民参画の機会の一つとして、区民にとって大変有効な手段だと思われます。  19年度予算では、特別区債の発行額は9億1300万円で、前年度を大きく下回っていますが、区民の関心が高い大田ドリーム債については、今後、継続的に発行していくものと考えているのかどうか、お伺いいたします。  次に、歳出について質問いたします。  一般会計歳出の義務的経費のうち、人件費が0.5%の微増にとどまっていることは注目に値いたします。いわゆる2007年問題で、団塊の世代の大量退職の時代が到来し、国と地方自治体の多くでは、退職金が大量に発生するため財政を圧迫することが懸念されています。中には、逼迫した財政状況に対応するため、退職手当債を発行せざるを得ない自治体もあると聞いております。そのような中で、人件費がほぼ前年度と同額にとどまり、歳出に占める割合も25%を下回っている状況は、これまで我が会派が主張してきた定数削減などの経営改善を着実に実施してきた効果のあらわれであると考えております。  そこで、平成7年度より実際に取り組んできた経営改善の効果はどのくらいなのか、職員定数及び累積削減効果について再度お伺いいたします。  また、19年度の予定退職者の人数と退職手当の金額及びその伸びについてお尋ねいたします。  19年度は、これまで取り組んできた実施計画の成果を反映し、新たな行政需要に対応した新実施計画に取り組むための予算が編成されていると思います。平成16年度から3年間取り組んできた実施計画及び“はばたき”プログラムについては最終年度となりました。  先ほどのごあいさつの中でも触れられておりましたが、両計画の今日までの取り組みの成果について、区長はどのように評価をされているのか、再度お伺いいたします。  また、19年から21年までの新実施計画を策定していますが、どのような思いをこの計画に込められたのか、また、それがどう予算に反映されたのか、お聞かせください。  次に、後期高齢者医療制度について質問いたします。  平成18年6月に成立した医療制度改革関連法における高齢者の医療の確保に関する法律により、20年4月から後期高齢者医療制度が創設されることになりました。あわせて、この制度を運営する広域連合の設立も各都道府県単位で準備が進められており、東京都内の区市町村も設立目前であると聞いております。  我が国では、国民皆保険制度のもとで、世界でも有数な保健医療水準や高い平均寿命を実現してまいりました。しかし、急速な少子高齢化の進展、経済成長の鈍化、国民生活や意識の変化など、医療制度をめぐる環境も大きく変化してまいりました。  平成15年度における我が国の医療費は31.5兆円となっており、国民所得に対する割合は8.6%となっております。この医療費の増大は、主に老人医療費を中心とするもので、15年度で11.7兆円と医療費全体の3分の1を占めており、高齢者人口の増加や、現役の5倍もかかる高齢者1人当たりの医療費が背景にあると言われています。今後、団塊の世代が高齢化していく中で、現在の1200万人から平成37年度(2025年度)には2000万人まで増加すると推計されており、当然、医療給付費も増大が見込まれています。このまま何ら制度改革をしないとすると、18年度(2006年度)予算ベースで28.5兆円の医療費が、平成37年度(2025年度)には56兆円、つまり現在の約2倍に膨れ上がる見通しもあります。  このような背景のもとで、政府は平成17年12月に閣議決定された医療制度改革大綱で基本的な考え方を示し、老人医療費が増大する中、現行の制度では現役世代と高齢者世代の負担の不公平が指摘されている。このため、新たな高齢者医療制度を創設し、高齢者世代と現役世代の負担を明確化し、公平でわかりやすい制度とするとうたわれています。具体的には、75歳以上の後期高齢者については、その心身の特性や生活実態等を踏まえ、平成20年度に独立した医療制度を創設するとし、65歳から75歳の前期高齢者については、退職者が国民健康保険に大量に加入し、保険者間で医療費の負担に不均衡が生じていることから、これを調整する制度を創設するとされました。  そこで、質問いたしますが、高齢者の保険料、現役世代からの支援金、公費負担割合など、後期高齢者医療制度の概要についてお伺いいたします。  また、運営主体となる広域連合と区市町村の役割分担と、広域連合で運営することのメリットについてお尋ねいたします。  次に、羽田空港及び蒲蒲線について質問いたします。  経済のグローバル化、都市のボーダレス化が進展し、都市間の国際競争が激化する中、航空輸送は国際競争力強化の基礎となることから、東アジアの国々では、アジアのゲートウエイを目指して、すさまじい勢いで空港処理能力の拡大を進めている状況です。我が国も、もはや国際線成田か国内線羽田かのすみ分けの段階ではなく、両者一体となって日本の首都圏の空の玄関としての機能と役割を強力に担う段階に入っております。  これまでの羽田空港の整備は国内空港としての整備でしたが、今後は国際空港としての整備が早急に、かつ強力に求められています。国際空港としての機能としては、首都圏をはじめとする大都市圏の国際航空需要にこたえるための空港容量の確保、成田空港との適切な役割分担、国際競争力強化の観点から国際航空路線網の充実、空港アクセスの改善、騒音対策をはじめとする環境対策の着実な実施、空港周辺地域の振興、共生策の実施などが挙げられます。  羽田空港の国際航空路線網について、国の考え方は、発着枠で年間3万回、就航路線については、羽田発着の国内線の最長路線である石垣島までの距離1947キロを目安としています。しかし、この距離では北京や台湾や香港にも行くことはできません。とても羽田空港が国際化になったとは言いがたいものであります。これまで多くの同僚議員からも、この就航路線について、もっと遠くへ飛ばすべきであるとの意見が出されています。国際競争力の強化や国際航空路線網の充実の観点から、距離制限はするべきではないと私は考えます。  東アジアの航空競争に負けないためにも、今後の大田区の地域経済の発展のためにも、距離制限の解消を国に対して積極的に働きかけるべきであると考えますが、改めて区長のご見解をお伺いいたします。  次に、羽田空港跡地について伺います。  羽田跡地については、当初、面積は200ヘクタールでしたが、航空需要の増大や国際化により、平成14年、非公式に面積53ヘクタールの提示を受けたものであります。区は、国や都に先駆けて、平成17年4月に約53ヘクタールの跡地利用計画案としてゾーイングイメージを策定し、跡地利用の促進を国や都に働きかけてこられました。その結果、先ほどご説明がありましたように、昨年12月、第46回羽田空港移転問題協議会で正式に跡地の範囲と面積約53ヘクタールが提案されました。  この跡地について、範囲と面積約53ヘクタールで合意した後に、跡地利用計画策定に向けて、国、東京都、大田区の三者による共同調査が行われるとお聞きしております。その対応は現在どのようになっているのか、お伺いいたします。  羽田空港跡地が位置する京浜臨海部は、日本の経済の発展を支えてきた高度な技術や技能を有する研究開発型企業などが多く立地しています。羽田空港の国際化により、新たな人、物、情報の流れがさらに活発化していくものと考えます。今後、臨海部の産業再生を図る上でも、跡地は重要な位置であるとともに、陸海空の交通や物流の結節点でもあり、さらに周囲を水面で囲まれているなど恵まれた立地条件にあります。こうした立地条件を生かし、多摩川沿いの護岸整備による親水公園化や区民が憩い集える文化交流機能の整備など、区民の期待は極めて大きいものがあります。  平成19年度予算を見ると、羽田空港対策積立基金積立金として40億円が計上され、これまでの基金と合わせると約68億円となります。この基金については、跡地取得を含め、未来の羽田のまちづくりに向け、積極的に、かつ有効に活用すべきだと思います。  跡地を購入するとすれば、跡地のどの場所をどれくらい取得するつもりなのか、また、どのような活用を考えているのか、お尋ねいたします。  国際化により世界の玄関口となる羽田空港周辺は、緑の多い景観に配慮した世界に誇れるものでなくてはなりません。現在の羽田空港は緑が少なく、機能面だけに特化されたものになっているきらいがあります。今後、整備に当たっては、空港跡地や多摩川、海老取川沿いの水辺空間を生かした景観づくりに配慮し、世界中の人々を引きつける美しい空港づくりを心がけるよう強く要望しておきます。  2009年の羽田空港の国際化に向けて着々と準備が進められ、跡地利用や2016年の東京オリンピック開催実現に向けた取り組みも強化されています。こうした大きな動きに合わせて、都市基盤施設、とりわけ環境に優しい公共交通の充実を図ることは大変重要な意味を持っています。特に、羽田空港への東西交通のアクセスとしての蒲蒲線の整備は大田区民の悲願でもあります。  19年度予算でも蒲蒲線の整備促進事業に対して予算計上されていますが、これまで国による都市鉄道調査と分担しながら行った平成16年度の大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備調査をもとに、平成17年度に整備計画素案を策定したと聞いています。  そこで、まず、この整備計画素案の今までの説明及び折衝状況について、さらに、今後の推進の仕方についてお尋ねいたします。  蒲蒲線は、国による都市鉄道調査の中で新しい鉄道整備のモデルとなり、いわゆる上下分離方式を含む都市鉄道等利便増進法への筋道をつけた検討素材であったと聞いています。今までの鉄道整備は、多くの場合、鉄道事業者がみずからの資金でまず用地を買収し、次に線路を建設し、電気的な制御を行い、車両を購入し、運賃をもらいながら営業を行っていくというスタイルですが、これに対して、都市鉄道等利便増進法では、鉄道をつくる者と鉄道を営業する者が別々の団体であると理解しております。各鉄道事業者は、莫大な初期投資が必要な新線建設にはどうしても消極的で、整備が進みにくい状況にありますが、都市鉄道等利便増進法は、この問題解消の切り札になり得ると考えられます。  そこで、お伺いいたしますが、蒲蒲線整備にどのようにこの都市鉄道等利便増進法が適用され、どのように整備され、全体のスキームはどうなっているのか、質問いたします。  鉄道整備は莫大な建設資金と長い建設期間とを必要といたしますが、その実現に向けて最も重視されるのが事業の採算性と、それを下支えする地元の盛り上がりであります。蒲蒲線の整備計画素案によれば、この事業性は大変良好であり、十分成立する結果が出ていると聞いております。残るは地元の盛り上がりですが、昨年11月には大田区蒲蒲線整備促進区民協議会が約220名の参加者のもとに開催され、この機会を逃さず実現に全力を尽くすという熱のこもったあいさつがあったと聞いています。  区は、この促進区民協議会とどのように連携しながら蒲蒲線の実現を目指そうとしているのか、基本的なお考えをお伺いいたします。  蒲蒲線は、単に鉄道をつくるだけでなく、総合的なまちづくりに発展させ、区としての潜在的なポテンシャルアップにつなげていくことが極めて重要であり、そのためには、蒲田地区をはじめとするまちづくり計画の再構築が必要不可欠であります。ぜひとも、羽田、蒲田地区を中心としたまちづくりと鉄道整備について、活発な議論と魅力的な計画立案を希望いたしまして、次の質問に移ります。  昨年末に新しい教育基本法が成立したことは、戦後教育の大きな転換点を迎えたと言えます。旧教育基本法は、国民の教育水準を向上させ、戦後の社会経済の発展を支えてきましたが、制定された昭和22年から半世紀以上が経過し、社会環境は大きく変貌いたしました。核家族化の進展や都市化などによる地域コミュニティの変質などにより、子育てを取り巻く環境は著しく変化しており、いじめや学力の低下が深刻化する中で、新しい教育基本法による早急な教育再生が求められています。  昨年は文部科学大臣あてに大量の自殺予告文書が届くなど、教育をめぐる様々な問題が多数噴出した年でした。大田区においても、蒲田局消印の予告文書が届き、教育委員会、各学校が適切な対応を図ってまいりましたが、いまだに学校内におけるいじめがなくならず、荒れた学校や不登校の児童生徒及び教員による服務事故等が少なからず報告されており、教育現場に対し不安を持たざるを得ないところであります。  まず、このような混沌とした今の教育現場に対して、教育長はどのような認識をお持ちなのか、お尋ねいたします。  そのような状況のもとで、各課題にどのように対応し、いかに解決していくかが現在問われているところでございます。政府の教育再生会議は、昨年12月24日に、ゆとり教育の見直しと学力向上、学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする、すべての子供に規範を教え、社会人としての基本を徹底する、あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる、教育委員会のあり方を抜本的に問い直す、社会総がかりで子供の教育に当たるとの提言を当面の取り組みとして第1次報告を提出いたしました。  この柱にまとめられた報告の全体像につきまして、教育長はどのように受け止めていらっしゃるのか、お伺いいたします。  中でも緊急に対応すべき課題として、暴力など反社会的な行動をとる子供に対する毅然たる指導のための法令など、できることは本年度中にも実施することが要求されています。また、法令改正で対応すべきものとして、指導力不足教員の対応を図るため、教育職員免許法の改正、情報公開、第三者機関による外部評価制度の導入等の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正、学校の責任体制の確立等を含む学校教育法の改正について、今国会で議論、検討されております。  区教育委員会として、独自に実施できることは限られているとは存じますが、教育長は新たな状況に的確かつ適切に対応すべき責務を負っていると私は思いますが、今後どのような方向性をもって臨んでいくのか、そのご決意をお聞かせ願います。  教育の再生は日本の再生にも通じる極めて重要な政策であり、子供たちの未来はまさに日本の未来に直結するものであります。区民が安心して子供を任せられる大田区独自のすばらしい教育行政の展開を強く要望いたします。  西野区長にあられては、先般ご勇退を表明なされました。大田区の行政のトップとして、5期20年の長きにわたり、大田区民と大田区政発展のために多大なご尽力をなされたことに対しまして、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。大田区役所本庁舎の移転、大田スタジアムや産業プラザやアプリコ、そして大田文化の森の開設、事務事業等適正化の推進、ふるさと浜辺整備など、その業績の数々は枚挙にいとまがございません。また、大田区政のみならず、2度にわたる23区の区長会会長としても輝かしい功績を残されました。都区制度改革や都区財政調整、臨海斎場の開設や清掃一部事務組合の運営などにおけるすぐれた行政手腕は、ほかの区の区長が到底まねのできない随一のものでございます。今後とも大所高所からのご助言を期待するところでございます。  そこで、最後の質問といたしまして、20年間の西野区政の中で特に印象に残っていらっしゃることと、現在のご心境についてご披露をお願いいたします。  以上で私の全質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(高橋博 君) 理事者の答弁を求めます。 ◎区長(西野善雄 君) 順次お答えをしてまいります。  まず、1月31日の都区のあり方検討会でございますが、実はこの日は、それまで議論してきたことの再確認をして今後の方向性を定める、こういう検討会でございました。第1の問題は、都区の間での事務分担をどうするか、これが第1の問題でございます。東京都の姿勢は、今回はできるだけ区の方に仕事をおろせるものはおろす、そういう大前提を提示してまいりました。そして、第2点は、それを受け入れる区側の姿勢、システム、能力、そういうものをいかに構築していくか、こういう問題でございます。第3点は、それらを引き受けた際に、財源というものをどのような配分計画をつくり、そして、それを支えていくか、こういう大きな三つの視点から議論を展開しよう、こういうことになっております。  議論をする期間は約2年、そして、結論を得た上で改革に取り組む、こういうことになっているわけでございます。それぞれ専門部会をつくり、その専門部会の代表などを通じて詳細を検討し、最終的に都区のあり方検討会で再確認をして都区合意をする、こういうことになろうと思います。したがいまして、今回の19年度の財調決定がそのまま引き継がれるということではございませんで、全く形態の異なったものになる、また、していかなければならない。特に、区のあり方、これは合併、再編等を十二分に検討する、こういうことでございます。  次に、19年度の財政状況と今回の予算編成でございますが、経済見通し等政府の見解、その他税制の改正、そういうものを念頭に置きながら今回の予算を編成させていただきました。当然のこととして、都区財調で3%の増、これらに伴う増収要素、あるいは区税関係の増収要素、そういうものが考えられるわけでございまして、そういうことから生じたものは区民の皆様方へできるだけ還元するべきであると、このような考えに立っております。  また、財政構造の改善のためには、当然のこととして借財は減らす方がよろしい、こういう考え方に立っておりますので、安定的な将来の負担の軽減というものを念頭に置きながら、その歳入歳出を眺め、編成に当たらせていただきました。  税制改革の影響の問題でございますが、フラット化したときに、低所得者層のところが、10%、1割という税率がかかりますから、この部分では増税要素になりますけれども、所得税と住民税と足し算をしてイコールになる。ですから、そういう所得層の方々は、所得税の方が逆に下がるわけですね。逆に、高所得者の方は、住民税負担が減りますけれども、所得税の方が上がって、プラスマイナスゼロ、こういう形で税の体系は組まれております。したがって、トータルで考えた場合にイコールでございます。住民税が増税になるという結果の方と減税になるという結果の方、それは所得税との調整でイコールゼロ、こういう関係でございます。  また、都区間でいわゆる都民税、区民税、こういう割り振りがあるわけでございますが、この部分では、都民税の取り分の方が総体的に増加になる、こういう傾向にあります。そういうことも含んで、今回の財政調整の中の調整率にも反映をさせてくる、こういう結果になったわけでございます。  次に、収納率でございますが、多少悪くなるのではないかな、そういう予想を立てております。というのは、低所得の方々に住民税の負担がふえる。この辺で、所得税が減税になるからといっても、お財布は一つです。住民税の方へストレートに回ってくるかどうか、こういうことにはいちるの不安が残る、そういう思いでございますが、徴税努力によってその辺は十二分にカバーしていきたい、このように思います。  次に、区長会の会長として今回の55%への評価でございますが、2%相当分が三位一体改革、1%が都の補助金というものを自主財源の方向に持ってきた、こういう感じでございますので、自主財源化することは、私は地方分権という立場からは絶対にやるべき性格と。  それから、今回はパーセンテージで決めました。昨年は200億円というようなお金で決めました。だけど、パーセンテージは経済の動向によって、上昇傾向のときにはプラス要素として働きます。ですから、平成12年の改正のときもパーセンテージで決めました。その結果、23区の税収あるいは交付金増額要素、これはかなりの効果をあらわしている。今回もパーセンテージで決めたことは正解であると私は考えております。  次に、平成7年度から取り組んできた事務事業適正化の問題でございますが、職員定数削減は1602名、その削減効果、当然のこととして、指定管理者であるとか業務委託であるとか、そういう経費がかかりますけれども、そういうものを差し引いても778億円の累積効果があったと、このように試算をいたしております。  それから、19年度の退職者、あるいは一般退職の退職金の問題でございますが、定年退職が158人、一般退職を含めて268人、この程度を見込んでおりまして、その額は54億円程度であろう。しかし、人件費総体で19年度、18年度を比較してみたときに、必ずしもふえていない。0.5%程度の増加要素。人件費比率は22%ということで抑えてこられているというのは、今日までの削減要素がここに影響を及ぼしていると、このように考えます。  次に、16年度から3か年で取り組んできた実施計画の問題でございますが、安心・輝き・潤いということで、各分野おおむね達成いたしました。そのように先ほど招集ごあいさつの中でも申し上げました。“はばたき”プログラムについても、ほとんどの事業が目標どおり完成の方向に向かっているということで、一定の効果を上げ得た、このように考えております。  それから、19年度から21年度までの3か年計画でございますが、行政というのは、やはり継続性が最も大切なことだと思います。きのうまでやっていたことが、急にあしたからはやらないよというようなことになりますと、そのサービスを受けていた区民の方々が難渋なさるわけでございますから、そういうことのないようにしなければいけない、そういう意図を持って19年度の予算編成にも当たらせていただいております。  また、かねて来ご要望の強かったもの、各党からもたくさんのご要望をちょうだいいたしております。そういうものを十二分に検討させていただき、今取り組む必要性がある、そのような判断をしたものについては予算化をお願いさせていただきました。  次に、後期高齢者医療の問題でございますが、来る3月1日に都知事から設立の許可がいただけることになっております。62区市町村が同一のテーブルの中でこの制度に取り組んでいこう、こういうことになりました。それはどういうことかといいますと、高齢者の偏在率が区ごとによってもかなり異なりますし、都道府県ごとによっても異なります。それをできるだけ均一化するためには、都道府県を単位とする市区町村によって連合体をつくってやった方がいい、こういう発想からつくられるものでございます。  そして、保険料の負担の問題でございますが、10%が後期高齢者が負担する部分、それから40%が現役世代の方々が支払った保険料からの支援金という形で出てきます。これで50%の保険料。あとの50%は、国と東京都と区市町村、これが連合して持つことになりまして、国がそのうちの4割ですね。それから、区と都が1対1の割合。4・1・1の割合でそれぞれ負担をする。50%が保険料。その残った50%を4対1対1という形で負担をする、こういうことで運営原資にいたします。  そこで、それでは広域連合と市町村の役割分担がどうなるのかということでございますが、保険料を集めるのは連合で集めます。そして、資格審査などは区市町村が行います。国保連合会という制度がございますが、そこで審査を行います。そして、支払いその他も行っていただきます。そういう形で連合として取り組むわけでございます。  次に、羽田空港の2000キロ問題でございますが、私も、せっかくつくるのなら2000キロにこだわらないで、もうちょっとより有効な活用がされることが望ましい、こういう気持ちでございます。ただ、今、国内航空拠点は羽田、国際航空拠点は成田、こういう仕切りがございますので、その仕切りの中で、日本で一番遠いのは先ほどご指摘のございました石垣島、約2000キロ、そういうところで2000キロの範囲ということになっているんですが、飛行機が飛ぶ段階になって2000キロでは余り意味がありません。働きかけを十二分に行って、その効果を発揮すべきであると、このように私は考えております。  次に、跡地開発の問題でございますが、12月4日に53ヘクタールという提案が具体的になされ、そして、正式提示を受けたわけでございますから、これから区民の方々あるいは関係者の方々と、この問題を三者で論議を進め、そして開発の問題についても、この3月末に同時に研究を始めよう、こういう申し合わせをする予定で事に当たる方向でございます。今まで三者、都と区と国が500万円ずつのお金をずっと積み出してきておりますから、それらの資金をもって開発計画の素案をつくり出す、こういうことになろうと思います。  いずれにしても、緑と景観などにも十分配慮した開発プランにすべきであると。それから、区の用地の購入は、するならばどこにするんだということでございますが、天空橋付近がいわゆる地元住民の方と羽田空港を活用する方、そういう方々のちょうど中間に位置するので、拠点施設としてはよろしいのではないか。あの辺に一定の土地を確保できるのならば、そのようにして共存できる施設づくりをしていきたい、このように考えております。  次に、蒲蒲線問題でございますが、ご指摘の都市鉄道等利便増進法、この法律ができた淵源を訪ねると、実は蒲蒲線を第1号でやろうという意図で国会論議が提案されたわけでございまして、ところが、正直言うと、第1号は別のところにいってしまったんですよね。非常に残念でございます。それは都と区と国、必ずしも三者が一致しなかった意見の部分があったということで、今後、その辺を十二分に調整しながら私どもは取り組んでまいりたい。そして、ぜひ実現をすることによって国際化される羽田空港の利便にも供していきたい。また、我々地元としての共存共栄のための一つの大きなポイントになる、このように考えております。
     最後に、20年間の心境でございますが、まだ2か月ございます。精いっぱいの努力をし、区民に尽くしたい。その上で心境をまとめ、ご報告をしたい、そういう機会があればと考えております。  以上です。 ◎教育長(細島德明 君) 私から教育関係のご質問にお答えをさせていただきます。  まず、混沌とした今の教育現場に対して、教育長の認識はいかがなものかというご質問がございました。どの学校にも必ず何らかの問題はあります。ただ、多くの学校は、基本的には適切に経営ができているのではないかというふうに判断をいたしております。しかしながら、一部の学校、教育委員会の対応に問題があるということも事実でございます。それがセンセーショナルに報道されるため、全体として、どうしてもそのような印象を持たれがちになっているのではないかというふうに思っているところでございます。  広い視野から見た場合、教育は社会全体の反映でありますし、また、少し長い目で見れば、教育改革は国と、そして大田区、始まったばかりでございます。決して気を緩めることなく、客観的かつ着実に教育改革に取り組んでまいる所存でございます。  2点目でございますが、教育再生会議の報告をどう受け止めているのかというご質問がございました。全体像についての感想は自分なりにいろいろございますが、答弁の時間も短うございますので、今回の七つの柱の提示は、基本的には、国を挙げて取り組むべき課題を首相直属の機関が示した、この点に私は意義があるのではないかというふうに考えているところでございます。今後、最終的な方針が決定されます。現在はその動向を見守っているところでございます。  3点目でございますが、区教委は今後どのような方向性をもって臨んでいくのかというご質問でございました。教育基本法が改正されたことに伴いまして、現在、大田区では、新しい教育推進プランの策定を校長会とともに進めているところでございます。検討はかなり進んできておりますが、授業時数をはじめ、国の取り組みの方向がまだ具体的になっておりません。そのあたりを待っているところでございます。そのあたりが具体的に明らかになった段階で、新しい教育推進プランの中で方向性を明示していきたいと思っております。  教育は国家、社会の基盤であります。国も重大な決意をもって臨んでおりますが、私どもも教育委員会を挙げて教育課題の解決に取り組んでいく決意であります。  以上です。 ○副議長(高橋博 君) 次に、22番溝口 誠議員。                  〔22番溝口 誠君登壇〕(拍手) ◆22番(溝口誠 君) 大田区議会公明党を代表し、未来の政治に責任を持つ責任政党としての立場から質問をいたします。区長あいさつ、松原議員の質問と重なる部分もございますが、ご了承を願います。  第1に、平成19年度予算編成について伺います。  先日、西野区長は今期限りの勇退を発表されました。西野区長は、歴代区長の中で最長の5期20年を務められ、厳しい財政事情の中、長期計画第1次改定、セーラム市及び北京市朝陽区との姉妹・友好都市締結、区庁舎の移転、区政50年史の発刊、おおたプラン2015の策定など多彩な実績を残されました。中でも特筆すべきは、平成7年度から本格的に取り組んだ行財政改革で、職員数の25.5%に当たる1602人の定数削減により人件費を節減したことや、事務事業の見直しなど大幅な経費の節減を図る一方、子育て支援をはじめとする各種の施策充実に努められたこと、さらに、特別区長会会長を2期務められるなど、23区のまとめ役として活躍されたことは高く評価をされております。この間のご労苦に対し、心から敬意を表したいと思います。  そこで、西野区政20年の集大成とも言える平成19年度予算について質問をいたします。  内閣府の月例経済報告によりますと、我が国の景気は回復基調にあると発表しているものの、中小企業や庶民の台所は、まだまだ回復の実感を持つには至っていないのが現状であります。しかし、大田区の財政状況を見ますと、特別区税は対前年度比10.0%、62億4600万円の増、特別区交付金は14.5%、88億2900万円の増となっております。ここ数年、税収が伸びてきております。  そのこととあわせ、平成7年度より事務事業適正化計画、平成13年度よりおおた改革推進プラン21により、事務事業の中で課や係を整理統合し、民間にできるものは民間に委託をしながら、経費の節減が進められてまいりました。先ほど触れた職員定数の見直しでは、平成7年からの累積削減効果は何と約778億円、また、職員の定期代を1か月支給から6か月支給に変更することにより年間7200万円の削減、さらに、学校での光熱水費の節約は、平成17年度は1億8400万円の効果を上げております。その他、給食調理や土木・公園管理事務所の民間委託、事務事業の見直しなど、多岐にわたる行財政改革での削減は一体幾らになるのか、まずお答えをいただきたいと思います。  このような改革を進め、無駄をなくして、必要なところに必要な予算をつけていくことが重要と考えます。人口減少社会に突入し、このまま有効な手を打たないと、2055年には日本の人口は8000万人台になると予想をされております。そのような事態になりますと、1人の高齢者を1人の現役世代が支えることになり、負担のバランスが大きく崩れてしまいます。そうした面で、少子化対策は最重要課題と考えます。大田区における子育て支援策として、こどもの医療費助成が義務教育修了まで完全無料化、出産こども一時金の創設などは高く評価をいたしますが、その上で、大田区の子育て支援策として今後どのようなスタンスで取り組まれるのか、お考えを伺います。  次に、よく区民の方から「大田区は夕張市のようにはならないでしょうね」と聞かれますが、大田区の財政状況は健全であるのか、経常収支比率、公債費率は着実に改善をしているのか、お示しください。  区の公債費は、平成10年度末の残高はピークの1363億円でしたが、平成18年度末見込みは804億円と41%の減となり、一方、財政基金の積み立てが約258億円、減債基金の積み立てが約166億円と、将来の負担に対する備えに向けての取り組みがなされております。今後、さらに借金をどのように削減していくかのシミュレーション、また、基金は目的に向かってどのくらいまで積み立てていくのかを示していくことが、より区民の理解が得られると思いますが、お考えをお聞かせください。  また、おおたプラン2015の実現に向けて、3年ごとに実施計画が策定される初年度になりますが、どのような観点で策定をされるか、あわせて伺います。  いよいよ団塊の世代が定年を迎えます。一般紙の記事によると、退職金は全国で国家予算に匹敵する80兆円に達するそうであります。全国では、新たに借金をして退職金を支払おうとする自治体が急増しております。国が退職手当債の適用範囲を平成18年度から10年間にわたって大幅緩和したため、急増する団塊世代等の退職金の財政確保を目的として発行してもよいことになったためであります。  そこで、大田区では、この3年間で何人の職員が定年を迎え、退職金はどのくらいになるのか、また、退職手当債の発行も含めて、その備えはどうなっているのか伺います。  そこで、私の提案ですが、区内在住の職員を中心に、退職金の一部を区内共通商品券で支給してはいかがでしょうか。もちろん、職員の方々の理解が大前提ではありますが、退職後も区内の活性化に関心を持っていただき、そのことが区内商業の振興につながれば幸いです。見解を伺います。  第2に、地方分権・都区制度について伺います。  平成5年の国会で、ゆとりと豊かさを実感できる社会を実現することを目的とし、地方分権改革の推進が決議され、平成7年には地方分権推進法が制定をされました。そのころの国の取り組みは、地方分権というよりも、むしろ国の財政再建の優先が目立っていた時代だと思います。その5年後の平成12年の地方分権一括法によって機関委任事務は廃止され、三位一体改革によって税源移譲もある程度は実現をいたしました。いわゆる第1期地方分権改革と呼ばれるもので、この時期は23区も都区制度改革により清掃事務が移管されるなど、基礎的自治体としての位置づけをより鮮明にすることができたと思います。  そして、昨年の12月に、政府は新たに地方分権改革推進法を国会で成立させ、この地方分権改革は第2期に入ったわけであります。新たな分権推進法に基づき進められる今後3年間には、さらなる税源移譲の推進、補助金の廃止、地方交付税制度の再構築や、地方公共団体の事務や執行体制に対する義務づけや枠づけ等の緩和など、さきの三位一体の改革で着手されながら中途で終わったものの解決も大きな課題になっていると考えます。  第1期の改革では、受益と負担の乖離の是正を目指して、そして、地方分権推進を目的とした三位一体改革においては、平成18年度に4兆円を超える国庫補助負担金の削減と約3兆円の税源移譲が進められました。しかし、18年度の地方財政計画における地方税の割合は4割程度にとどまっており、地方自治体は、依然として財源の多くを国税からの移転的な財源に依存している状況であります。また、国は、補助金の整理縮小を掲げながらも補助金の負担率のカットで対応するなど、相変わらず地方自治体が行う多くの仕事は国の指示に従うよう強いられている状況で、地方の自由度、分権の拡大が不十分であったとの多くの指摘を受けていると聞いております。  国庫補助負担金とともに、国税を原資として地方へ再分配される地方交付税につきましては、自主自立的な自治体経営を促進するため、最小限の財政調整機能に縮小すべきではないかなど、そのあり方から算定方法に至るまで、様々な議論が現在なされているところであります。現在のところ、特別区においては、地方交付税の交付対象となっておりませんが、将来、再編などが仮に進めば無関心ではいられません。  今後、期待するところは、国による義務づけを緩和したのであれば、同時に、その事務を地方の実情に合った自由度の高い施策として、地方の自主と責任で実行できるよう、さらなる税源の移譲と財政調整制度の改革を進めていくことであります。そして、そのことは、東京都と区の関係における財政調整制度でも言えることではないでしょうか。  さて、第2期地方分権改革推進における新たな改革の議論の一つに地方交付税改革があり、その中で新型交付税の導入が挙げられております。新型交付税は、国の規制や基準に基づく部分を縮小させ、地方が自由に歳出を決定できる部分を拡大するために、人口と面積を基本として算定するものであると聞いております。  そこで、この新型交付税について質問をいたします。地方交付税は、直接特別区が交付対象となることはなく、また、その算定方法では、大都市特別区の特有の財政需要が適切に算定されないなどの問題点もあると聞いております。特別区は現在のところ交付されることはないと認識はしておりますが、新型交付税が導入された場合、特別区が直接の影響を受けることはないということでよいのか、まず伺います。  さて、地方分権推進におけるポイントの大きな柱の一つには、受益と負担の乖離の是正であります。受益と負担の乖離について具体的に調べてみますと、国庫補助金や地方交付税など国から地方へ財政移転される財源の占める割合が大きく、市町村民税などのように地域の住民から直接調達する自主財源の占める割合が小さいという現状があります。受益と負担の乖離がある財政構造には、住民によるガバナンスや議会によるコントロールが働きにくくなるという弊害があります。その結果、地域の実情に応じたサービスがなされないなどの矛盾が生じ、さらにはスリムで効率的な自治体経営を阻害する要因となっていると言ってもいいと思います。  そのことは、都区財政調整制度でも同様なことではないでしょうか。確かに都区財政調整制度は特別区間の税源の偏在を是正する機能を果たし、特別区の均衡ある発展に寄与しており、重要な制度であると思います。しかしながら、その一方で、地方交付税の弊害として指摘されている受益と負担の乖離を内包しているということも事実であると考えております。今後、都と区の間で、こうしたことに対しても十分に議論をしていただきたいと強く要望しておきます。  さて、今年に入り、何社かの新聞の東京版には、東京23区のあり方に関する記事が掲載をされておりました。23区は今年60周年を迎えます。特別区は昭和22年以来、都の内部団体として位置づけられ、一般市と異なり、上下水道や消防など大都市事務は都が担当をし、本来市税である住民税法人分や固定資産税などは都が徴収をし、財政調整交付金制度によって平成12年度以降は52%が特別区に配分されてまいりました。  19年度に向けた財調協議では、52%プラス3%を主張する特別区に対する最終的な都の調整案がどのように提示をされるか心配をしておりましたが、結果としては3%増の55%、特別区交付金の割合は2%から5%になりました。地方分権へと世の中が大きく変わっていく中で、特別区に配分される財調の割合が3%でもふえることについては、一般財源の強化という観点からは望ましいと考えます。  一方、内容を見れば、区が三位一体の改革の影響分を含め、少なくとも3%増を主張してきたことに対し、都の最終提案では、三位一体の影響分が2%、そして、1%については都の補助金の振り分けの分との結果となりました。補助金が削減され、財政調整で対応ということは、特別区にとってマイナスとなったのではないかと思う反面、これからは特別区の一般財源と責任で、都にコントロールされずに取り組んでいくことができるということでは改善が図られるという思いもあります。  いずれにせよ、財源を持っている都は、区の言い分をそう簡単には受け入れない状況で、地方分権と言いながらも、まだまだ都と区の関係の中では進んでいないという印象を受けております。  都政新報には、都の対応に対し各区の区長からは賛否両論の様々な意見が出たと、その経過が書かれておりましたが、この間、西野区長は区長会の代表として都との協議に臨み、配分割合55%と、特別区の制度上、財政上の位置づけを大きく前進していただいたものと私は考えております。同時に、3%増を確保したものの、その内訳は特別区が主張したこととかけ離れている点に、先ほども述べましたが、まだまだ都と特別区の間は対等な立場になっていないという懸念もあります。  そこで、区長に伺いますが、区の配分割合が3%ふえ、その内容が三位一体の影響分2%と都の補助金削減の影響分1%となった今回の財調の結果について、どのような感想をお持ちでしょうか。  また、今回は、これまで特別交付金の配分割合2%が5%に変更になりました。特別交付金については、特別な事情に要する経費に対する措置の拡充並びに普通交付金では対応できない不交付区の三位一体の改革減収影響に対し激変緩和措置を講ずるとあります。  特別交付金は普通交付金と異なり、都がその裁量権を持っているように思いますが、その割合をふやすことは23区にとってマイナスではないでしょうか。また、不交付区に対する激変緩和措置はどのくらいの期間を考えているのか伺います。  この財調を含め、都区制度改革について、昨年度まで主要5課題の解決に向けた議論が都と区の間で交わされましたが、23区にとっては、しこりの残る結果となりました。  今、都と特別区長会が取り組む都区の新たな役割分担や区の再編を含めた区域のあり方が議論され、特別区が大きく変わろうとしていると考えております。区民生活に身近な行政サービスは区が担っていく。今、東京都が行っている事務の中にも、区が行うことの方が直接区民福祉の向上につながるものが数多くあると思います。福祉、子育て、まちづくりなど様々な分野で都から区に移すべき事務や権限を一日も早く区に移し、各区がそれぞれの責任で、それぞれの地域特性に合わせたまちづくりをしていくことが望まれます。  さらに、都区においても区再編の検討をすることになっておりますが、この検討に当たっては、国の道州制の論議に対する牽制という意味合いも含まれているとの新聞報道もありました。道州制の論議においては、アメリカのワシントン市のように、都心区を政府直轄化し、その財源を道州の財政調整に使うべきだという意見も出ているようです。  23区の再編について、今後、具体的な検討が進められていくと思いますが、都心区の政府直轄化を含め、再編について現段階でどのように考えているか伺います。  第3に、乳幼児のインフルエンザ予防接種費用の公費助成についてお伺いをいたします。  今年の冬も昨年冬同様、日本各地でインフルエンザが大流行し、国民生活に大きな影響を及ぼしております。インフルエンザにかかると、幼児の場合では急性脳症などを併発し、最悪の場合は死亡するといった問題も指摘をされております。予防接種は、1回接種すると自由診療ということで約3000円から5000円の費用がかかり、13歳未満では2回接種が必要で、子供を抱える家庭では、その費用が家計を圧迫しているのが現状であります。先日、若いお母さん方との懇談会で、このような切実な訴えが寄せられました。  我が国では、昭和37年(1962年)から約30年間にわたり、学童へのインフルエンザワクチンの集団接種を行ってまいりました。しかし、インフルエンザワクチンの有効性は他のワクチンに比べて低く、集団接種によって流行阻止はできないとの議論が持ち上がり、平成6年の予防接種法改正時には、学童への集団接種については同法の対象から除外され、現在、厚生労働省において調査研究中とのことであります。しかし、インフルエンザ予防の基本はワクチン接種であり、抵抗力が弱く疾患にかかりやすい乳幼児には積極的に接種を勧める必要があるという意見もあります。  現在、岩手県などの7県内33市町村で乳幼児へのインフルエンザ予防接種費用の助成を行っております。例えば、茨城県の日立市では平成6年から助成を始め、同年、インフルエンザが予防接種法の対象から外れたにもかかわらず、地元医師会との話し合いにより必要と判断をいたしました。1歳から64歳までの費用の半分を助成し、年間2万3000人が対象となりました。大田区には0歳から5歳までの乳幼児は、平成18年1月1日現在で3万1272人にも上り、インフルエンザ流行の時期となりますと、お母さん方の子供への心配は尽きないものと思われます。大田区の子育て支援策の一つとして、また区民の健康を守るため、地域の切実な声をくみ取っていただき、公費助成の実現を要望いたしますが、いかがでしょうか。  第4に、防災対策でのライフラインの確保について伺います。  日本は世界でも有数の地震列島と言われております。特に、地盤が軟弱な首都東京に阪神大震災と同じ規模の直下型地震が起きた場合、東京消防庁が発表した被害想定では、約8万6000人の死傷者が出ると予想されております。首都圏でも深谷断層や、東京郊外の立川から国立を通って多摩ニュータウン方向へと延びる立川断層などが知られております。その地上部には、築30年近い団地や分譲マンションが林立をしております。果たしてライフラインは大丈夫でしょうか。  東京都防災会議の予測した新被害想定では、生活に欠かせないライフラインが寸断されるのは、上下水道の46%、電力の23%、電話の13%が途絶えるとされております。また、関東一円の約980万世帯に都市ガスを供給しております東京ガスでは、ガスを遮断するシステムにより安全だと説明をしております。ところが、もしガスの送出が一斉に遮断された場合、この地域の全部を復旧するまでには最低でも22日間かかるというのです。首都圏住民が最低でも1か月近く熱源である都市ガスを遮断された場合、どうして生活ができるでしょうか。  さらに、関東大震災クラスの地震では、東京都内のガス本管が660か所、延長1万5000キロメートルにわたって破損をするという想定もあります。そうなると、都内全域で都市ガスの供給が復旧するまで何か月かかるか知れません。  現在、北海道北見市の住宅地で3人が死亡したガス漏れ事故を受け、東京ガスが都内などでガス管の緊急点検を進めております。北見の事故現場で使われた同じ種類のガス管が対象で、検査は掃除機型の探知機を使うなどしてガス管のある道路上を巡回するもので、2月末までに完了させる予定であります。北見の事故で漏れた石油系ガスと違い、同社が供給している天然ガスには一酸化炭素(CO)は含まれておらず、ガス漏れ事故が発生してもCO中毒の心配はないそうですが、同社では、「同業者として事故を重く受け止め、保安体制を徹底したい」とコメントしております。区としても、この調査の結果と対策について注視をし、適切な対応をしていただきたいことを要望しておきます。  ガスにつきましては、阪神・淡路大震災において復旧に時間がかかり、住宅での入浴や調理に多大な不便を来したと言われております。供給管の破損によるガス漏れが火災発生の原因になった例も見られるなど、完全復旧には3か月を要したとされ、早期復旧が課題であります。  そこで、私は東京ガス株式会社本社を視察し、大地震への対応策について説明を受けるとともに、関係者とも意見を交わしてまいりました。東京ガスでは、阪神・淡路大震災を教訓とし、超高密度地震防災システム・シュープリームによる遠隔遮断システムの構築や、家庭内での安全対策では、一般家庭の100%のガスメーターにマイコン制御機能が内蔵されており、震度5強相当以上の地震が発生したときは都市ガスを自動的に遮断する仕組みを整備しておりました。  また、高中圧のガス導管は、阪神・淡路大震災では高い耐震性が確認され、さらに、首都圏のガス導管総延長5万1000キロメートルのうち、約90%を占めている低圧の導管におきましては、地殻変動の影響を吸収するポリエチレン管などを採用し、地震による損傷を最小限に食いとめるための対策を講じております。しかしながら、低圧導管の耐震整備は余り進んでいないのが現状で、首都圏全体でも9000キロメートル以上も残っているとのことでありました。  そこで、本区におけるガスの低圧導管の整備状況をお示しいただき、さらに、この現状について防災上どのようにお考えか、区長の見解をお聞かせください。  以上で全質問を終わります。大変にありがとうございました。(拍手) ○副議長(高橋博 君) 理事者の答弁を求めます。 ◎区長(西野善雄 君) 順次お答えしてまいります。  政府が発表している消費動向の傾向などを見ておりますと、なかなか回復基調にない。というのは、個人の懐が必ずしも温まっていないのが状況ではないか。しかし、一方で、貯金の指数というのがあるんですが、皆さんがお困りになっているにもかかわらず、個人貯金というのは相変わらずふえているんですね。そういう状況を勘案してみると、将来への生活不安というものをいかに除いていくかということが、皆さん方生活する立場でのご不安ではないかと、このように考えております。そういう意味合いでは、区が提供していく高齢者その他に対する生活上の安心をつくり出すという観点は、大変必要な重要な視点ではないかと、このように考えております。  そういう立場から、区役所の体質改善を行い、そして、そのサービスを提供すべき資金を有効に生み出す、こういうために事務事業の改善を進める、こういう方向をたどってまいったわけでございますが、職員定数の見直しによりまして、結果において、1600人からになりますと、1000億円を超える人件費そのものは落ちているわけでございます。しかしながら、ただ落としただけではサービスの提供が不足しますから、そこで、いろいろな委託事務であるとか民間活用であるとか管理委託、いろんな手法をとらせていただいて、それをマイナス要因として差っ引きをしますと約800億円、200億円程度の持ち出しで区民の皆さん方にはサービスをして、人員は削減をして、こういう結果になっているということでご理解を賜りたいと思います。これにつきましては、現在も職員定数の削減というのは計画的に進めてまいりますので、まだまだ定数削減は継続的に行われてまいります。  次に、医療費助成の義務教育修了までというのは今回ご提案をさせていただきました。そのほかの子育て支援ということは、いろいろと考えはございますけれども、私どもも、子供たちを健全に成長させていく環境づくりというのとあわせてやらなければより有効ではないという意味合いで、直接的なご援助の方法と、間接的に施設整備その他を通してお子さん方のご面倒を見る、こういう両面作戦でこれらの問題には取り組んでまいろうと思っております。  そして、安心してお子さんを産み育てられる、そういう環境づくりのためには、より区民の方々の理解と協力を得て、お手伝いいただけるようなシステムも構築していかなければいけない。それが学童保育室であるとか、いろんなところを午前中ご利用いただいて、親御さんとお子さんたちと一緒に、ご近所の方も交えて保育をしていただく、あるいは情報の交換をしていただくというような方向にも結びついているわけでございます。また、それらを相談体制の整備というようなことで子育て支援センター、そういうようなものも当然のこととして取り組ませていただきました。  次に、大田区の財政状況は健全であるのか、夕張のように危険性があるのかということでございますが、先週の「エコノミスト」をごらんになったでしょうか。健全財政度ベストテン、ワーストテンというのが出ておりまして、大田区は、たしかベストテンの14位ぐらいのところにランクされております。そういう意味合いでは、財政的には、私どもとしてもある程度の努力の成果がそういう形であらわれている、このように評価をしております。現在、1800を超える地方自治体がございますけれども、そういう中で上位にランクをされているということについては、今日までの努力の成果が上がっているのだろうと、このように考えております。  そういう点で、公債費比率等もここのところ徐々に低下傾向にございますし、それから今年度も起債の発行額を極力抑えて、そして減債基金を逆に積み込んでという方向で対処をしていく、そういう対策をとっております。  また加えて、基金などについても、目的が既に定まった施設建設その他がございますので、そういうものに対応するような頭金はどうしても取りそろえなければいけないということで、現在の財政状況の中で許される範囲で積み金をさせていただいている。将来に向けての対応策について十二分に配慮をした予算をつくらせていただいたと考えております。  17年度末現在の起債残高が939億円ございました。これに対する積立金が減債基金182億円、ご指摘いただきましたが、起債残高の19.4%を占めている、こういう状況にございます。  いずれにいたしましても、今回も金利の高い起債については一括償還をしようと。5%、6%という起債が実は一括償還できないで困っていたんですが、郵政の関係だけはできるということになりましたので、それを一括償還して、高い金利を払うことをできるだけ節約しよう、こういうようなことも実施をさせていただいております。  それでは、幾らまで基金を積み込むのか、こういうことでございますが、生きたお金の使い方をしていくというのが第一の原則でございまして、そして将来に備える基金をもって安定した財政運営を将来的にも担保する、こういう両構えで取り組んでまいりたいと、このように思っております。積むだけではなくて、今回、19年度予算で区民の皆さん方に豊かさを少しでも感じていただけるような方向、また区政としての継続性を保つ、そういうような方向の問題については積極的に取り組んだつもりでございます。  次に、おおたプラン2015に向けての問題でございますが、社会状況の変化等もございます。そういう点では適切に対応をする必要がございますし、そういうときにはどうしてもお金というものが不可欠でございます。当然のこととして、各種の行政展開のために、そういう余裕金といいますか、多少は自由度の高いお金を必要とするのではないかと、このように考えております。  この3年間で何人の職員が定年を迎えるかというご質問がございました。平成19年度158人、20年度が160人、21年度191人、その所要の509名の退職手当金は、今の制度でいきますと118億円でございます。今後に備え、ただいまご質問の中にもございましたように、ご苦労願った職員に対して適切に退職金を支払える、そういう備えをしておくことは必要なことである。そのために退職手当債を発行して財政の困窮を来すようなこと、そういうことのないような備えは十二分にしてきたつもりでございます。  次に、区内在住の職員に対して、退職金の一部を共通商品券ということですが、気持ちは十二分にわかるんですが、労働基準法で金銭の支払いは現金でなければいけないということになっているんです。ですから、商品券でいいよと特別に言っていただかない限り、現金以外の支払いは許されない、こういうことになっているわけでございまして、ご理解を賜りたいと思います。  次に、地方交付税の制度が変更している。それからまた、新型の地方交付税制度などができる、そういうような話も聞いていると。いろいろとございましたが、現在の都区の関係からすると、都区のあり方検討会の結論いかんによって変わってくる可能性がなしとはいたしませんけれども、現在の財調制度、それから全国的に考えたときに、東京都23区だけが別枠になっておりますが、これを外すという方向で検討することは今の段階では考えておりません。ですから、新型交付税制度ができたとしても、それが直接23区に適用される、そういうようなことはないだろう、このように想定をいたしております。  しかしながら、23区の再編のあり方、それから東京都と特別区の事務の再配分の仕方、そのあり方によっては、全国と同じような市区町村に並び得ると仮定したときには、全国市町村並みの地方交付税制度の適用ということが起きる可能性は全くゼロとは言い切れないと私は思います。  しかし、現状では、どちらかというと、地方都市の方々から眺めたときに、私どもも集中攻撃を受けているんですが、東京一極集中だと。東京に3割の税源が集まって、地方は貧困状態なんだよと申しているわけでございますが、私たちは逆に、東京が元気を出して、そして地方にその元気を発信しなかったら、そういうエネルギーがなくなったら日本沈没じゃないかと。全国市長会なんかへ行ったときにも、そういうようなことを私自身も発言をさせていただいたりしております。ですから、東京が元気になる。あるいは地方都市の中でも非常に優秀な地方都市はあるんですよ。そういうところが元気を出して、それを発信する。その必要性は、地方自治体それぞれ個々に能力と力、そういうものを全国に向かって発信していく。これが本来の地方自治としての自由度を持った活動、こういうことにつながっていくのではないか、このように考えております。  したがいまして、三位一体の改革で国の方からお金が来るのが少なくなったとか、あるいは税源の移譲が必ずしも十分でなかった、そういうようなことを言われておりますけれども、地方自治体なりにいろいろと創意工夫を重ねながら、市長会などへ行くと非常に活発な意見交換が行われております。そして、専門部会が設けられて、政府に対する強い要望、片一方では、自発的にこういうことを始めるというような空気が自治体間での競争というものを呼び起こしている。そういう実像を――平成13年以降、市長会に加入いたしました――そういう中に入って私は実感をいたしております。そういう意味では23区ももっともっと発信をしていくべきだと、このように考えております。  私ども、産業の分野では産業の10都市サミットというのをやっております。大田区も言い出したうちの一人でございます。そういう立場で今後とも日本全国の市に対して発信のできるような、そういう区になりたい、このように願っております。  いずれにいたしましても、新型交付税の中で、東京が一極集中で、ワシントンDCみたいなところをつくって、そこから上がる税金はみんな持っていってしまう。そして地方にまいたらいいんだ、こういうようなことをおっしゃる市長もおいでです。現に目の前で言われました。そうじゃないと。そういうことをしてはまずい。23区は、そういう意味合いでは今後東京都と十分な連携、密接な協議を重ねて、全国へ発信できる23区を再編する、そういう方向でこそ検討すべきである、こういう都との合意をしているところでございます。  次に、52%から3%上げて、どっちが有利だったのかというようなご質問がございました。2%と1%、それで1%は補助金の振り替えと。私は、先ほどもお答えいたしましたが、経済が上昇機運にあるときには絶対パーセンテージで勝負をすべきであると。ですから、正直言いますと、1区10億円、230億円、議論をしているさなかで、そういう話も出たんです。私は頭から否定しました。そういうことではございません、私たちは1%、180億円でいいんです、230億円もらって、50億円余計にもらったなんて、そんなけちなことは考えていません、要るものはパーセンテージで決めてください、こういう主張を繰り返してまいりました。平成12年から今日までの推移を見ていただければ、当然、23区の財源事情、そういうところで分析されると、その成果というものは十二分に反映されているなということを感じております。今回の3%についても同様でございますし、より自由度を高めるために補助金というものを切った。その方が正解であると、私はこのように考えております。  次に、地域特性を生かすということでございますが、当然のこととして、23区でなくなった暁にあっても、それぞれの地域が光り輝く地域になるように、大田区もその枠外に押し出されないように頑張っていくべきだと、このように考えております。  企業等の厳しい体質改善、あるいは二極化、少子高齢化、いろいろな変化が生じております。そういう中で、区民生活、区政運営、解決すべき課題というのは次から次へと生まれてくると、このように考えております。それに対処するためには、やはり体力をつけていかなければいけないと思います。そのためには、みずからが削れるものは削りながら、そして住民の皆さん方の生活の安定を図る方向が望ましい。私は23区にこだわる必要はない、そういうことを考えております。  次に、乳幼児のインフルエンザでございますが、いろいろな経過があって、これは集団接種をやめたという経過があるわけでございます。大田区自身も、障害を生じて損害賠償金を支払った事例がございます。そういう事故があったがために中止をした。それがたしかご指摘のあった平成6年だったと思います。それで、もう10数年経過しているわけでございますが、その集団注射、それから高齢者は今、任意で注射していますが、注射の受診率は50%を超えております。そういう関係は、私は医学者ではないのでよくわかりません。保健所長が後ほど健康ということと関連して補足をします。そのようにお聞き取りを賜りたいと思います。  それから、ガスの問題でございますが、現在、ガスの低圧管導入は、ポリエチレン管への取り替えは8割済んでいる。大田区内は大体1100キロのガス管があるそうでございます。東京は4万5000キロ、そのうち8割が直っている。それでは、うちは何%直っているんだということについては、大変申しわけないんですが、東京ガスに教えていただけませんでした。でも、先日、支社長に聞きましたら、短期復旧の精いっぱいの努力、それからガス漏れ事故その他の復旧についての検知機能、そういうものについては莫大な投資をして生活の安全を守るために精いっぱい努力している、こういうことでございました。今後とも東京ガスの努力をお願いしたいと、このように考えております。 ◎保健所長(三好温子 君) 予防接種のあり方でございますけれども、そもそも研究開発の進ちょく状況に合わせて、また、ウイルスとか細菌、そういった病原体も生き物でございまして、弱毒化することもあれば強毒化してくることもございます。そういった状況の変化に合わせまして、予防接種の成分であるとか回数、対象年齢も改定されていくべきものというふうに考えております。高齢者につきましては、区長もおっしゃったように有効性が確認されているところでございますが、残念ながら乳幼児につきましては、まだ抗体化の上昇が不十分と言われております。また、副反応の問題も解決はされてございません。こういった状況が解決されてまいりましたならば接種体制を整えていくという方向に向かうと思われますので、いましばらくお時間をちょうだいしたいと思います。 ○副議長(高橋博 君) 会議が長くなりましたので、おおむね15分程度休憩いたします。                      午後3時24分休憩                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                      午後3時41分開議 ○副議長(高橋博 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、会議時間を延長しておきます。  質問を続けます。48番藤原幸雄議員。                  〔48番藤原幸雄君登壇〕(拍手) ◆48番(藤原幸雄 君) 日本共産党大田区議団を代表して、質問通告に従い順次質問いたします。  働いても働いても暮らしがよくならない格差社会の解消を目指す国民の関心の高まりや、憲法改悪許すなの広がり、国政や地方政治でも暮らしを守る取り組みとあわせて政治のあり方が問われています。自民党と公明党の連立政権は、安倍首相が最も力を入れている在任中に何としても憲法9条改悪をすると、自民党と公明党の幹事長、国会対策委員長は2月14日会談し、5月3日の憲法記念日までに憲法改正手続法案を成立させることを確認されました。  世界に誇れる日本の平和憲法を改悪し、日本を戦争のできる国にするために憲法を変えて、アメリカと一緒に海外での武力攻撃に参加するという憲法9条改悪を、民主党も巻き込んで一気に改憲手続法案の成立をねらっています。  日本共産党は、憲法改悪許さず手続法案の成立に断固反対するものです。日本国民の大多数が平和憲法を守りたい、世界の人々と仲よくしたいと思っています。全国で6000を超すまでに広がった9条の会の皆さんをはじめ、憲法9条改悪反対の一点で改悪手続法案を採択させない運動の先頭に立って頑張り抜く決意です。  今、国の政治が国民の願いには背を向け、大企業や大銀行には減税し、国民には想像を絶する痛みの政治を求めることへの怒りは、かつてなく国民各層での反論が始まっています。自民・公明連立政権のもとで、東京新聞の報道では、公明党が定率減税廃止を政府に働きかけて小泉前内閣が合意し、廃止が決まった定率減税や老齢加算控除、公的年金控除の縮小や廃止など、高齢者がねらい撃ちされています。
     その一つが老齢加算の廃止です。70歳以上の勇気ある13名の生活保護受給者が2月14日に国を相手に訴訟に立ち上がりました。生活保護受給者で70歳以上の方に、都内に住んでいる方は約1万8000円支給されていた老齢加算が2006年4月から一方的に廃止され、高齢者にとっては命綱を切られたとして裁判に訴えたのです。  政府・与党と自民党・公明党が廃止の理由に、国の財政事情が厳しくなり、60歳代でも70歳になってもかかる費用は同じだとの理由から、廃止は当然というのです。とんでもありません。高齢になれば病院に通うことも多く、友人、知人の冠婚葬祭、子供や孫にも世話になるお礼、歯やおなかに負担が少ない食事など高齢になればなるほど費用がかかるのです。だからこれまでの加算制度が必要だったのです。高齢者の皆さんは、戦後経済復興に全力を尽くされ、その後、病気や失業などで生活保護を受給されているのに対して、国が制度を打ち切るやり方は、高齢者に冷水を頭からかけるやり方ではありませんか。これが美しい国をつくる人々のやり方なんでしょうか。  老齢加算制度の廃止をするのでなく、米軍1人当たり1293万円も気前よく支払っている国の駐留経費こそ打ち切って、国民と高齢者に回すべきです。国が老齢加算制度を復活するまで、区内に住み、本来加算制度受給資格者2360人に対して区独自の加算額を支給してはどうでしょうか、区長の答弁を求めるものです。  多額の事務所費計上問題、政治と金、地方議会での政務調査費や石原東京都知事の海外視察、飲食接待など、税金の不正使用と無駄遣いについて国民の批判が一段と高まっている中、大田区議会も政務調査費の収支報告書に領収書を添付し、開示の義務の条例制定を強く求めるものです。  大田区の2007年度予算案について質問いたします。  新年度予算案は歳入歳出総額2147億1000万円余、前年度比約91億8000万円余、4.5%の伸びとなっています。歳入の主なものは、特別区交付金695億7000万円余で、昨年より88億2000万円余の伸び率14.5%と、歳入で初めて1位になりました。特別区民税688億9000万円余、昨年より62億4000万円余の増で、伸び率10%で2位となりました。特別交付金の88億円増の主なものは、都区の間の配分割合がこれまでの52%から55%になり、法人住民税の増収の見込みなどによるものです。  日本共産党大田区議団は、昨年11月、西野区長に、新年度予算編成に当たっては区民の暮らし、営業を支える予算編成になるよう予算要望書を提出しました。昨年からの小中学校の普通教室に続き、特別教室も冷房化が進み、児童からも父母や教職員からも大歓迎されています。  新年度予算には、こども医療費通院中学3年生まで無料化になることは大変喜ばしいことであり、昨年第4回定例議会でも日本共産党大田区議団が条例提案した内容が100%達成されたものであります。  主なものでは、出産こども一時金が第3子以後から5万円の支給や、生活習慣病健診受診者数の充実も昨年度当初比の1.5倍、11万4000人に拡充されたことは、区民の声が実現したものであり、日本共産党区議団の提案が実現されたもので、高く評価できるものです。  新年度予算では、増税によって税収増の多くを基金としてため込まれる予算編成になっていることです。総合体育館整備資金積立基金積立金30億円、羽田空港対策積立基金積立金40億円と、歳入増91億円余のほとんどを当初予算から積み立てて、区民生活向上、中小企業振興、社会福祉の充実など、特に国の痛みに耐えている生活弱者への支援策の弱さが冷たい区政の実態となっていることです。  日本共産党大田区議団は、今定例会に痛みやわらげ手当支給に関する条例を各党にも呼びかけて、17名の共同で議員提出条例を出しました。内容は、住民税非課税から課税対象になった高齢者を対象に、老齢者控除廃止、公的年金等控除の見直し、65歳以上の非課税措置の廃止のいずれかの方に、1年に限って1万2000円を限度に支給する制度です。また、大田区での介護制度で負担が免除される方は100歳からで、対象にした保険料や利用料の独自減免制度などないのは、23区では大田区と他に2区だけで、介護ベッドなどに対しても、要介護度1以下の皆さんは、レンタル料金補助や借上支援など、これまた区独自の施策も都の補助制度の活用もされていないのは、23区では大田区と他の2区だけとなっています。  これらの施策は、区長が予算化すればすぐにできることです。福祉分野で他区に負けないとの区長の思いを具体化していただきたいのです。答弁を求めます。  新年度の予算には、特別区民税の増収分は、定率減税の廃止で20億円、三位一体による自主財源分の増として17億円、老齢者非課税措置の段階的廃止6600万円余など、区民へ昨年に続き増税が押しつけられていることです。区長として最後の新年度予算編成を、「これまで厳しい財政状況が続いてきた中で、未来を見据えた積極的な経営改善に努めてきた成果もあわせて、大田区の財政基盤はより強固なものになっている」と予算概要で述べられていますが、地方自治体本来の目的である住民福祉の機関として、国政での大規模な増税と社会保障費などの個人負担強要が続く中で、区民の痛み解消に全力を尽くして、区民の痛みやわらげる予算でなければなりません。  今、区民の暮らしはどうなっているでしょうか。1987年に区長に当選されてから今日まで20年間、区民生活は格段の成長、発展、豊かになったでしょうか。「大田区の数字」では、産業のまち大田のものづくり技術日本一の町工場は、1980年代には9000の工場があったものが2005年度には4774社に、約50%の企業が倒産、廃業に追い込まれ、製造品出荷額で最高時の1兆8000億円余から現在8000億円に激減しています。これまで元気があると言われた区内商店街にも激安の大手の出店参入で、個人のお店は年間約200店舗が閉店されている中で、大型店の売り場面積は拡大され60%以上占められています。  生活保護受給者世帯も1995年の6000人から毎年増加し、今では1万1000人を突破、就学援助の児童数は要保護と準要保護で、小中学校で2000年には8846人が2005年には1万1464人、5年間で2618人の増の約30%になっています。区民の給与所得者の1人当たりの所得平均は、2000年の415万3000円余から2006年度で402万7000円、大企業、大銀行の好景気の陰で、区民の暮らしは勤労者の給料も改善されていません。  その上、区長が先頭に立って国の改革方針を先取りし、1995年から第1次事務事業適正化計画を強行し、区民サービス向上に努める区職員1602人削減し、第2次事務事業適正化では306項目もの事業の廃止や縮小を行い、見直しされたものが敬老金、学校の牛乳代補助、最近の保育料値上げや、保育園や幼稚園も次々と廃止計画や民営化を行い、大規模学校が生まれているにもかかわらず学校建設はしないが、小学校の統廃合が4校行われ、全国の流れになっている30人学級の見送り、区民財産を民間に、サービスはお金次第に、福祉は個人負担増にと国よりも先駆けて行われているのです。  積立金では、当初予算で70億円の積立金のうち、大田区総合体育館整備資金積立基金積立金の30億円は、毎年多額の改修費などを考えての、近い将来建て替えが必要になるための基金ですが、羽田空港対策積立基金積立金の40億円は、その理由として跡地5ヘクタール購入するためと言われましたが、なぜ購入する必要があるのでしょうか。羽田空港沖合展開事業で生まれた200ヘクタールの跡地が、沖合展開事業終了後には迷惑をかけた近隣自治体に返還することになっていたものが、国内各地から羽田空港の需要が多くなったことを理由に77ヘクタールにされ、さらに現在の53ヘクタールにと、当初の跡地案から見ると約75%も縮小されているのです。  羽田空港跡地は、戦前は羽田町民が住み生活していた土地であり、敗戦によって米軍が羽田空港を管理し、空港拡幅を理由に48時間内の強制退去命令が下り、着の身着のまま現在の羽田や本羽田、糀谷、萩中などに身を寄せるしかなかった歴史を忘れてはなりません。  日本の高度成長時代を迎え、空港利用と航空機の騒音問題が起こり、沖合展開事業が始まり、一昨年東ターミナルが完成し決着したはずが、羽田空港の国際化を理由に第4滑走路と新国際ターミナル建設の再拡張事業で跡地が53ヘクタールまでに縮小案が出されています。  以上のような状況を考えてみて、近隣住民や自治体に迷惑をかけてきた歴史がある跡地ですから、無償で跡地利用できるように求めるのは当然ではないでしょうか。国が土地代を要求しているのか、それとも大田区が購入することをみずから申し出たのか、答弁を求めるものです。  また、当初案の跡地予定地から見ると、今の跡地は海老取川沿いと多摩川沿いに面しており、まとまった跡地となっていません。このような活用範囲が限られた跡地に土地を国から購入する理由はありません。少ない跡地で我慢させられる大田区として、国土交通省に意見を述べられる立場の自治体として、毅然と200ヘクタール返還を主張し続けられることを求めます。  今行うべきは、左旋回区内市街地上空飛行の解消でありますが、騒音が解決されるどころか、2月にも夜間と深夜に騒音をまき散らし飛行がありました。一日も早く左旋回飛行中止をさせる取り組みこそ求められているのです。  羽田空港跡地購入に積み立てるお金があるならば、その40億円を介護保険料や利用料減免に使うとか、値上げした保育料の引き下げに使うとか、待機児を一人も出さないために認可保育園のさらなる建設、中小企業への借りやすい融資制度に改善、障害者自立支援のさらなる拡充、大規模校解消など、区民が求める緊急課題に予算をふやすべきです。  さらに、区民サービス向上を求められているのに、公共施設積立基金は、小中学校の改築に伴う将来の行政需要を予測し、18年度当初予算で30億円、第3次補正でも都の特別交付金200億円分として15億7000万円余、さらに今回、第5次補正でも55億円余、合計132億円余も積み立てたことです。  目的を持った公共施設積立基金であれば、今大問題になっている、大規模校になっている矢口西小学校区域内にもう1校建設してはどうでしょうか。また、積極的に学校修繕にも取り組み、エレベーターが必要な学校には設置する。トイレの改修なども行うべきではありませんか。答弁を求めます。  高齢者の中でもう一つ大きな問題として、私が昨年第3回定例議会で質問しました孤独死の問題です。  だれにもみとられず、何日もたってから死んでいたと知らせを聞くたびに、大田区の高齢者に対する対応の遅れに怒りを禁じ得ません。区内でも孤独死させない対策を重ねて強く求めるものです。  今、東京新聞の追跡記事やNHK1月14日放送のスペシャル番組でも伝えられていますが、私の住んでいる近くの方で、この正月の1月2日、民間アパートで暮らされていた81歳の男性が、おもちを食べようとはしを持ったまま、その姿勢で亡くなっていたそうです。近所の方が夜になって明かりがつかないために変だなと思ってドアをあけたら死亡していたそうです。死後5日たってからです。正月だというのにだれ一人訪ねてこられない、本当に寂しい話ではありませんか。  区内で一人の孤独死も出さないという決意と対策の熱意が伝わってきません。行政側が積極的に見守り制度を、全国各地のすぐれた制度や市民と協力しての取り組みなどを参考にし、孤独死を出さない対策を講じるべきです。  これまで成果があったおはよう訪問を即時復活すべきです。予算にしても3000万円から4000万円でできるものです。大田区での見守り対策をどのようにするのか、おはよう訪問の復活や、ひとり暮らしの高齢者の方々に入浴券倍増も行うべきです。答弁を求めます。  産業経済費の伸びでは、工場アパート設置予算約18億円計上されての増額です。今、中小企業支援策は、工場経営者にとっても個人の店や商店街にとっても後継者育成が緊急の課題となっています。団塊の世代が定年を迎えるために、大企業や大手業界は後継者育成に積極的に取り組んでおりますが、2人~5人の小さな工場や個人のお店ではできません。  そこで、六郷工科高校など区内の高校との連携をとりながら、町工場に就職し後継者として区内でものづくり加工を目指す若者に技術を継承し後継者育成する場合や、商店での後継者育成の勉強など、1人年間100万円、年間200名限度とし、3年間支援する補助制度を提案します。  また、個人住宅へのリフォーム助成制度を区内建設業団体の皆さんと協議して制度化を求めるものです。商店街装飾灯への電気代料金と維持管理費用の全額補助も毎回要求していますので、1億円弱あればできるものですから直ちに予算化すべきです。中小企業の生き残りとものづくり支援の後継者育成、活性化に役立ち、100歳まで区内で買い物や、まちで過ごせる商店街を目指す立場からも、これらの支援は必要でないでしょうか。答弁を求めるものです。  区政全般に区民の要求を予算化し取り組む、67万区民の願いにこたえる住民福祉の機関の役割を発揮することを重ねて強く求めるものです。  次に、いわゆる蒲蒲線整備計画についてです。  蒲蒲線といえば、約800メートル離れているJR蒲田と京急蒲田の間をつないで便利にする計画だと多くの区民は思います。果たして今大田区が進めようとしている蒲蒲線計画は多くの区民の願いにこたえられるものでしょうか。  蒲蒲線の整備調査報告書や素案によると、計画の概要は、東急多摩川線矢口渡駅と蒲田駅の間で地下に入り、新設される東急蒲田地下駅までと、そこから産業プラザ付近に新設される地下30メートルの南蒲田駅を経由し、大鳥居駅手前で地上に出て、京急空港線に乗り入れる路線となっています。JR蒲田と京急蒲田の間の約800メートルをつなぐ口実で、全長3.1キロメートルの新線を建設するものです。総額1080億円という大規模な事業で、その3分の1の360億円ずつを国、自治体それぞれの補助金と鉄道整備主体の借金で賄う計画です。  走る車両は、川越、池袋方面から東京メトロ13号線を経由し、渋谷付近で東急東横線に入り、多摩川駅から多摩川線を経由して東急蒲田地下駅までと、そこで京急車両に乗り換えて京急羽田空港までつなぐ計画です。  この間の大田区内の停車駅は、田園調布、東急蒲田地下駅、南蒲田駅、大鳥居駅、羽田空港駅の五つの駅だけです。多摩川、沼部、鵜の木、下丸子、武蔵新田、矢口渡、糀谷、穴守稲荷、天空橋の九つの駅は通過です。この九つの駅の利用者は、便利になるどころか通過電車待ちで不便になるだけです。糀谷はそもそも駅ができません。これには与党議員からも強い不満が上がっています。なぜこんなことになるのか。それは、この計画が都市鉄道等利便増進法による整備を前提とし、東京西南部から羽田空港への利便性、速達性、つまり時間短縮を図ることが目的となっているからです。これで多くの区民が便利になる、納得すると考えているでしょうか、お答えください。  大田区東西鉄道「蒲蒲線」というパンフレットでは、区内の鉄道での移動は便利になるとして例を挙げ、雑色から田園調布までの所要時間が25分になり、14分短縮できるとなっています。本当にそうでしょうか。最初の乗り換えは、高架の京急蒲田駅から100メートル以上離れた地下30メートルの南蒲田駅まで移動します。そこから東急蒲田地下駅までは1時間6本の運行計画ですから、最高10分の待ち時間です。東急蒲田地下駅でまた乗り換えです。ここからは1時間4本の運行計画で、最高15分の待ち時間になります。所要時間25分どころか、2回も乗り換えて、待ち時間だけで最高25分です。待ち時間0分の場合もありますが、確実に目的の時間に到着しようとすれば、最高の待ち時間を想定しなければなりません。区内の移動の利便性向上も極めて根拠のないものではありませんか。しかも、利用者想定1日6万3100人中、区民と区内関係者は1割から2割にすぎません。このような計画になぜ巨額の税金を投入するのでしょうか、お答えください。  さらに、蒲田地区の都市再生に寄与するといいますが、区は具体的に蒲田地区にもたらす経済効果の調査さえしていません。蒲蒲線整備調査報告書での予測では、新設する東急蒲田地下駅の乗降客は、JR蒲田駅の乗降客の1%余にすぎません。これでどうして蒲田地区の活性化に結びつくのでしょうか。交通の結節点の機能強化などという抽象論だけで巨額の税金をつぎ込む根拠はありません。だから、与党議員からも蒲田にお客が降りるようにしてほしいなどの不安の声が出ているのではないでしょうか。  蒲田地区の活性化につながるというなら、その根拠を具体的に示しください。結局、集客力を強めるなどの理由でさらなる税金投入に陥り、大田区の財政を苦しめることにもなりかねません。  次に、この計画の財源と採算性の問題です。大田区と東京都で360億円の補助金を出すスキームですが、東京都は極めて消極的です。そんな中で大田区がこの計画に執着すれば、360億円のほとんどを大田区が出すことにもなりかねません。しかも、この種の事業では建設費が当初計画を上回り、乗客は伸びず、累積赤字が膨らむ例は少なくありません。赤字が出ても自治体は関与しないスキームには一応なっていますが、そうであれば想定されている鉄道整備主体、独立行政法人の鉄道・運輸機構と営業主体の京急、東急が赤字を背負うことになります。ですから、よほどの採算性の保証がない限り、鉄道・運輸機構も京急、東急もこの事業に乗り出さないでしょう。無理に大田区が主導するならば、結局、従来のような自治体が巨額の赤字を背負う第三セクター方式に追い込まれかねません。東京都が相当の負担をしなければやらない、第三セクターではやらないと断言できるのか、お答え願います。  最後に、何よりも区民の暮らしが本当に困難になっている今、区民に大増税、大負担増を押しつけ、区民の暮らしへの援助をどんどん切り捨て、地域を活性化する根拠のない、利便性の向上にも期待できない大規模事業に税金を投入してよいのかという問題です。これこそ、今自治体が本来やるべきことではありません。  そして、当面、JR蒲田・京急蒲田間に低運賃のシャトルバスを走らせて利便性の向上を図るとともに、現在の蒲蒲線計画は白紙に戻し、将来に向けて、大田区財政の許される範囲で、本当に区民の利便性の向上と蒲田地域の活性化に結びつく計画を区民参加で検討することを強く求めます。  次に、空港線穴守稲荷駅のバリアフリー化についてです。  新年度の予算案を見ても、エレベーター用地確保がありません。そこで提案です。いつまでも用地問題にしがみつかないで、今すぐできることから始めるべきです。駅利用者の皆さんからの声を聞くと、朝は上りホームを利用するのに階段が大変だとのことです。夕方も近くの会社員の皆さんからも同じ意見が寄せられています。  そこで、下り側には階段の部分が広くあり、エスカレーター設置は十分可能です。私はできるところからバリアフリー化をしていくべきだと思います。ぜひ今年中に下りホーム階段にエスカレーター設置を強く求めます。お答えください。  日本共産党大田区議団は、この4年間だけでも区民の要求、要望をしっかり受け止めて、区民の目線に立って区政発展に取り組んできました。今後も区政の前進、区民生活向上、大田区が住民福祉の機関としての役割を発揮できるよう全力を尽くして頑張ることを誓い、以上で質問を終わります。(拍手) ○副議長(高橋博 君) 理事者の答弁を求めます。 ◎区長(西野善雄 君) まず、国の老齢加算制度の復活があるまで区として取り組んだらどうか、こういうご提案をいただきました。老齢加算につきましては、一般低所得高齢者世帯の消費実態をもとに検証の結果、老齢加算に相当する特別な需要があるとは認められない、こういうことから廃止をされたわけでございます。16年から段階的に縮減を行い、18年度にゼロと、こういうことでございます。生活保護は国民の最低生活を保障するという国の制度でございますので、区独自で加算制度をつくり支給するという考え方には立っておりません。  次に、福祉の問題等を取り上げて、いろいろとこういうことをやりなさい、ああいうことをやりなさい。体育館の建設、あるいは空港土地買収の基金を積み込むよりも、そういうところにこそ力を入れるべきだ、このようなお話をちょうだいいたしました。当然のこととして、私どもは福祉対策については、その将来性とかバランスとか、いろいろ考えながら取り組むべきものは予算化をさせていただいております。そういう意味合いで、今事例に挙げられたものがないからということだけで直ちにそれに取り組むという意思は今のところ持ち合わせておりません。  体育館については、既に平成20年3月には休館をし、建て替えをするという計画を発表いたしておりますので、それについては当然のこととして金銭的な裏打ちが必要でございます。そういう意味合いから積み立てを行ったものでございまして、これらが順調に区民の方々のスポーツ振興あるいは文化振興に役立つような方途に結びつくものと、このように考えております。  それから、順番が変わっていましたので、最初の方へ持ってきてお答えいたしますが、孤独死問題でございますが、高齢者緊急通報システムあるいは電話訪問、訪問指導などの事業を現に実施いたしておりますし、近隣の方々、民生委員その他老人クラブの友愛訪問活動など、地域の皆さんのご協力もちょうだいいたしております。そういう立場からすると、おひとり暮らしのお年寄りといえども、やはり友人を持ち、近隣の方々と交流を深めるという日常生活をいかに行っているかということが孤独死を防ぐ大きな要因になるのではないか、このように考えます。そういう立場から、区民の皆様方のご努力、またご協力をいただくとともに、区の職員も連携を密にしながら、高齢者の方々が安心して地域で住めるように取り組んでまいりたい、このように考えております。  特に、それがために訪問の復活に加えて入浴券の配布を倍増しなさい、こういうご要望がございましたけれども、そのようなことで孤独死がなくなるというふうには直結しては考えられないので、入浴券の増配は念頭にはございません。  次に、住民税非課税から課税対象となる高齢者を対象にした1万2000円、月額1000円の支給について、17名の賛同者を得て条例をご提案になるというご質問がございましたが、条例が提案されるとするならば、議会のご審議ということが先決でございますので、私が予見を申し上げるのはいかがなものかと思いますので、これについての感想も含めて、私からの意見は差し控えさせていただきます。  次に、羽田空港の跡地の買収のために積立金をつくったけれども、もともと米軍によって48時間以内の強制退去という歴史があるんだと。そして、今回は再拡張、国際線の導入、いろいろと迷惑をかけてきた、それだから無償で跡地の取得を主張すべきではないか、こういうご意見でございます。それぞれの場所でそれぞれの対処というものが常に行われてきております。その当不当はあろうかと思いますが、48時間以内に強制退去という中では、当然に補償金とか移転費とか、そういうものの支給がなされている。ただ、十二分になされたかということについては、私どもも、この強制退去の事実というものは非常に悲劇を伴ったものであるという認識は藤原議員と一緒にするものでございます。  そういう立場から、空港といかに地域が共存できるか、そういうことで空港に対しては区議会自体が撤去決議を行ったことがございます。そして共存できるような状況をつくり出す。騒音と安全が確保されない限り困るんだ、空港は要らないんだ、こういうことから沖合展開事業というものが行われ、そして騒音の被害の減少化、それからより安全な運航という方向に行ったわけでございます。今回の第4滑走路の問題につきましても、我が国から外国へ行く人が1200万人、向こうからこっちへ来る方がその3分の1しかいない。それで国際化になってきている現状の中で、よりよき日本理解が進められるかどうか、そういう点から国際空港の拡充が求められている、こういう現状にあるわけでございます。  そこで、200ヘクタールを53ヘクタールに減少させられたということは、私としても非常に不本意ではございますが、200ヘクタールに戻せと今申し上げても、その土地は既にございません。活用策が確定をし、そして新たな建物の建設が現実的に行われているという状況でございます。そういう中から将来を見据えていかに共存し、そして共栄すべきか、そういうことでこれからは対処していくべきではなかろうか、このように考えております。  まして、その跡地の問題については、国有地という位置づけになっておりますから、無償で取得することは100%不可能と。こういう状況の中で、共存し得る拠点として、私どもは、区はみずからの努力、そして国の協力、そういうものを求めながら施設建設を進めるべきではないか、このように考え基金を設定させていただいたものでございます。  次に、後継者育成のための補助金制度、あるいは個人住宅のリフォーム助成、商店街の装飾灯の費用負担、こういうご提起がございました。後継者の育成という場合に、多分ご親族の方が後継者になるケースが最も理想的だと思います。しかし、現実に家庭生活の中で後継者として育成をしてきたか。なかなかそうではなくて、いい学校へ行きなさい、いい会社へ勤めなさいということで、後継者をいざ探すという段階になって、後継者がいないから廃業するというような事例が非常に多く散見されております。企業者の皆さん方にも、そういうことではなくて、みずからも努力する、そういう企業経営を進めていただきたい、こういうことを私も何回も申し上げてまいりました。これからの企業の継続のためにも、ぜひ経営者自身が自分の問題として後継者を考え、そして努力をしていただきたいと思います。  住宅へのリフォーム問題でございますが、これは大田区の住宅修築資金融資あっせん制度が既にございますので、こちらの方をご活用いただければ低金利の融資あっせんをいたしております。  商店街の装飾灯でございますが、真夜中にあんな装飾灯をつけていただくというつもりはございません。安全灯としての街路灯の役割を果たしていただくことを期待しているわけでございます。商店街が営業時間中により照明を明るくするという問題と、防犯灯としての利用をする場合と、仕分けをして私どもはご援助を申し上げているわけでございます。  次に、蒲蒲線の問題でございますが、東急と京急を結ぶ、短絡する路線の新設ということで、非常に有利な投資であるという認定から、国も積極的にこの問題に取り組んでいくべきである、このような位置づけにされているわけでございます。私どももできるだけ直結した形で空港に利用者が行けるような、そういう短絡線をつくることが利用の立場からも、また区民の立場からもより有効ではある、こういう認識に立って蒲蒲線の問題を考えているわけでございます。  そこで、整備をしようとするときのスキームでございますが、国と地方公共団体が整備費の3分の2、そしてあとの3分の1は整備の企業が負担をする、こういう形になっておりまして、赤字が出た場合に地方団体その他に請求書が回ってくる、こういう仕組みにはなっておりません。したがいまして、運営等に当たりましては、当然責任を持って鉄道建設者がそれを補てんする、こういう形に相なっております。したがいまして、私どもとしては、羽田空港へのより利便な方策を東京西部地区の方々もより多く願っている路線として考えているわけでございます。当然、大田区民の方々のご利用ということは大前提に念頭にございます。  収支採算的に考えた場合には、現在試算している範囲では、最も実現性の高い、採算性のある路線ということで位置づけられておりますことを申し添えたいと思います。  東京都の方がちょっと渋っているようなニュアンスがあるけれども、こういうことでございますが、電鉄会社、それから東京都、国土交通省、それぞれの理解の中でこれは進めなければならない問題、このように考えております。京浜急行は、建設については賛意を表明いたしておりますし、国土交通省は推進をすべく法律の制定をした、こういう経過にございます。  穴守稲荷のバリアフリーの問題でございますが、エレベーター設置のための用地確保については、地権者と現在交渉を継続中でございます。車いす利用者が駅などのエスカレーターを利用する際に、駅員の操作でエスカレーターをとめ昇降する。この間、他の利用者に待ってもらうということになり、ここにつけることは少し大きな負担が電鉄会社にかかるのかと、このように考えております。いずれにいたしましても、エレベーターによるバリアフリー化が最適な手段である、このように考え努力をしているところでございます。ご理解のほどお願い申し上げます。 ◎教育長(細島德明 君) 教育にかかわるご質問にお答えいたします。  一つは、矢口西小学校の区域にもう1校建設してはどうかということでございますが、この区域の児童数の増加は一時的なものでございまして、区域内に新しい学校の建設を行うことは考えておりません。また、積極的に学校修繕をということですが、これにつきましては計画に定めまして、従来どおり必要なものは取り組んでまいります。  以上です。 ○副議長(高橋博 君) 次に、33番山崎勝広議員。                     〔33番山崎勝広君登壇〕(拍手) ◆33番(山崎勝広 君) 大田区議会民主党です。本日、これまでの質問と重なる部分もございますが、多少切り口を変えておりますので、ご答弁の方をよろしくお願い申し上げます。  さて、20年という大変に長い間、大田区行政のトップとして、現在のこの大田区の形をつくってこられた西野区長、本当にお疲れさまでございました。  20年前というと、バブル景気に日本中が沸いていた時代、その後、バブルは崩壊、日本経済は失われた10年とも呼ばれる1990年代に入ってからの長期にわたる低迷を続けました。ようやくバブル崩壊で生じた様々な問題が徐々に改善をし、現在は2002年からの景気拡大が続いていると言われておりますが、まさに激動の20年、時代の変化に応じた区政のかじ取りは容易でなかったと思います。  現在、大田区の財政は、これまで進めてきた内部努力と景気回復による税収増によって一般に高く評価をされる状況になり、年を重ねるごとに様々な分野で区民サービスも向上してきております。この結果は、西野区長が派手ではないにしても時代の先を読みながら、区民、議会との連携の中でリーダーシップを発揮されてきたことが大きいと私は感じております。  一方、実感なき景気拡大と言われる現在のこの経済状況の中で、区内の中小零細企業、ほとんどの勤労者、地域は、依然その恩恵の蚊帳の外に置かれているのが現実であり、こうした中で行われている定率減税の廃止や医療費などの社会保障費の負担増が多くの区民の生活に重くのしかかっています。さらには、小泉政権下で広がったとされる所得や地域格差のひずみは暮らしへの不安を増大させています。実際、私のところに来る区民相談、年金、医療、介護、子育て、教育、仕事などその内容は様々でありますけれども、伺う相談の数、これは景気回復以前よりむしろふえているように感じます。  こうした課題の解決には、もちろん国レベルでの対策が不可欠なわけでありますが、本格的な自治の時代を迎えて今、多くの区民は、区民の生活に最も密接した大田区行政に対しても大きな期待を寄せております。  今後も大田区は社会情勢の変化に柔軟に対応しながら、区民の生活向上に向けた取り組みに全力で取り組んでいかなければなりません。西野区長というリーダーが引退されることは大田区政にとっても大きな節目になりますが、職員の皆さん全員にこうした認識を持ってさらに頑張ってもらいたいと思います。西野区長からは職員の皆さんに対してはどのようなメッセージを送られるのか、思いをお聞かせいただきたいと思います。  2007年度予算について伺います。  19年度の都区財政調整は、区長会会長の西野区長の手腕もあって、特別区側の配分割合が52%から55%になり、前年度比14.5%、88億2900万円余の大幅増が見込まれています。また、区民の皆さんにとっては負担増となる定率減税の廃止ですが、大田区にとっては、これにより特別区税収入も10%、62億4600万円余もふえる見込みとなっています。改めて、区民の皆さんが苦労と努力をされて納めていただく税金、本当に大事に使っていかなければならないと感じます。  昨年、北海道夕張市が財政破綻をし、市民生活にも多大な影響が出ていることが話題になっております。大田区の財政状況はこれと比較にならないほど良好ではありますが、これは事務事業適正化計画から始まる、大田区がこれまで10年以上にわたって進めてきた事務事業の再編、整理、統合や民間委託等の推進による結果、こうした取り組みを区民の皆さんのご協力を得て必死に取り組んできた成果であると私は思います。  今、大田区は、かつての待ったなしの状況からは脱却をし、新規を創出していく新たな転換期を迎えております。  こうした中、ここ数年、大田区は区民要望の高い様々な分野で積極的に予算を執行してきておりますが、19年度予算案においても、歳出面でそれをさらに上回る積極的な予算編成が行われております。大きく目につくものだけでも、こどもの医療費助成の拡大や生活習慣病健康診断等の拡大、羽田空港跡地の基金積み立て、大田区総合体育館の改築準備など、いずれも20億円を超える予算が使われます。  これらは、長年区議会の中でも課題として様々な提案や議論がされてきたものの、財政面の裏づけなどからここまで先送りになってきた案件であります。財政基盤がより強固となった今、これに道筋をつけることができたと判断もできますが、一方で、区長の改選を目前に控えている中で、こうした新規の施策や政策的経費が多いことに戸惑いも持っております。骨格予算に法令上の概念はないそうですが、今回の予算編成に当たってこの部分をどのように判断をされたのか、伺います。  19年度予算案の中で私が最も驚いたのは、既にきょう何度もご質問が出ておりますけれども、羽田空港対策積立基金積立金であります。航空騒音などの地元対策費として国の外郭団体と航空会社が計約25億円を積み立てていたこの基金に、大田区自身が初めて資金を積み増すとのこと。これにより基金は運用益を含め計68億円となりました。  昨年12月、羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協がようやく開かれ、東京都から羽田空港跡地に関する今後の進め方(案)が事務局案として提案をされたと聞いております。  今後、跡地の範囲として面積が合意された後に、この案を軸に協議されていくものと聞いておりますが、大田区として望ましい跡地利用になるように、今後とも主張すべきことは強く主張していかなければなりません。その意味では、今回の基金の積み立て、唐突に感じましたが、その強い意思を国や東京都に示すことになり、跡地利用の論議にもかなり弾みがつくものと思われます。  羽田空港は全国的な航空ネットワークの拠点であるとともに、これが国際化されますと、まさに国家の玄関口となります。この空港に隣接する跡地は、東京、国にとっても非常に重要な空間に位置づけられています。  大田区は今後、積み増す基金を活用して跡地取得を含め、周辺環境の整備を進めたいとしております。この基金を積み立てた背景と、西野区長が描いているプランの説明、先ほど取得場所等具体的に説明も答弁もございました。ですので、これにより跡地利用の論議にどのような変化が起こり得るのか、今のお考えについて伺いたいと思います。  次に、少子化対策について伺います。  柳沢厚生労働大臣の失言を受けて、国会は大混乱をしたわけでありますが、この状況を見ながら改めて少子化問題について考えてみました。  今回の柳沢大臣の発言、少子化担当大臣として全く不適切な発言ですが、私は、そもそもその発言の裏にある少子化問題に対する大臣や政府の考え方にも違和感を感じております。そもそも子供を持つか持たないかは個人、夫婦の自由です。少子化問題は、子供を持ちたくとも安心して持つことができない今の日本社会の問題であって、国民にその責任を負わすようなものではないはずです。大体、少子化が論議されるときには、年金や税金の事情が話題になって、こんなに子供の数が減ったら税金を払う人がいなくなってしまう、国がもたなくなるなど国の視点から語られがちです。しかし本来、子供の政策を考えるときに大事なことは、子供の立場で子供を中心に考えることであり、子供たちを育てる人をサポートする社会をつくることだと思います。  子供を産む意思がありながら、それができない最大の理由が経済的負担だとも言われております。大田区の平成19年度予算に盛り込まれたこども医療費助成の拡大は、出産こども一時金の助成と合わせて、そういった意味で少子化対策への積極的な取り組みとも言えます。  子育てにおける家庭の経済的負担軽減を考えたときには、出産費用や保育料など子育て初期の費用を軽減するだけでなく、初等、中等、高等教育を見通したトータルな支援が求められますが、国の対策はもたついております。こうした中で、大田区が保育園など仕事を持つ親への行政サービスを充実するのみならず、すべての子育て家庭を対象にした支援に向け、さらに大きな一歩を踏み出していくことに期待をしますが、所見を伺います。  阪神大震災の犠牲者6400人余りの8割以上は倒れた建物の下敷きになったり、逃げ場を失ったのが原因でした。それから12年、大震災の防災対策として、民間住宅の耐震補強工事が重要課題とされてきましたが、工事はなかなか進みません。  18年度からスタートした大田区の耐震診断助成についても、助成申請の受理件数も助成完了件数もまだまだ少ないのが実情です。ましてや改修助成が行われた実績はまだないと聞いております。  昨年12月からは事業の拡充を行い、一般診断に加えて無料の予備診断やコンサルタントの派遣を行い、耐震改修工事について従来の工事費用の一部を助成に加えて、さらに一律50万円の助成金を増額する制度を打ち出しております。耐震改修をするための費用と期間は、平均すると100平方メートルぐらいの住宅で、比較的弱い南側の壁を二、三枚補強し、基礎と柱の引き抜け防止をつけたとして、概算で100万円ぐらい。広い家で部屋が大きくとってあると面積に対する壁の量が少なくて、その分費用がかさむような話も聞きました。高額な改修費、申請をふやすことは簡単なことではないと思いますが、耐震診断と改修の補助制度、区民への浸透を図るために、さらに工夫をお願いしたいと思いますが、所見をお伺いいたします。  改正介護保険法の成立を受け、介護保険のサービス内容が大きく変わって間もなく1年になろうとしておりますが、この改正で新しいサービスとして導入された地域密着型サービス、私は昨年の第1回定例会でも申し上げましたが、その中でも小規模多機能サービスについて、在宅で365日、24時間の介護の安心を提供することのできる具体的な方策として大きな期待を寄せております。平成19年度は、区内それぞれの生活圏に1か所ずつ、この小規模多機能型居宅介護施設を整備しようと4か所分の整備費補助が計上されました。
     大田区としては、地域介護・福祉空間整備等交付金等も活用しながら、必要な事業の参入を促すことになると思われますが、現在、事業者の動向について、サービスの給付見込みをどのように分析しているのか伺いまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(高橋博 君) 理事者の答弁を求めます。 ◎区長(西野善雄 君) 一番最初に、20年間区長を務め、そして最後に職員の皆さんに対してどういう言葉、メッセージを送る気持ちがあるかというご質問をちょうだいいたしました。  各層の皆さん方にご協力をいただき20年を過ごすことができ、それなりの成果も上げ得たと私自身も感じております。それを陰になりひなたになり支えてくれたのは当然多くの職員たちだ、このように心から感謝をしております。加えまして、10年ほど前から事務事業の適正化計画など、身を削る思いをさせたことに対しても大変理解を示され、そして協力をしてくれ、現在の大田区の財政体質をつくり上げるもとになってきた、こういうことを考えるときに、本当に私自身、恵まれた職員に支えられてきた、このように考えております。  一番最初に就任したときに、マイクで就任の放送をさせていただきました。そのときに申し上げたことは、職員の皆さん、デスクの上に一輪の花を飾るつもりで区民の皆さんに接してください。そして、その気持ちが相手に伝わるように執務をしていただきたい、こういうようなメッセージを出した記憶がございます。いろいろと職員の皆さんもそれらの声にこたえて努力をしてくれた。そして、みずからも優しい区役所をつくり出そう、そういう努力を提案し、実践をしてくれております。中には、全くのボランティア活動でまちの名物になっているグループもあるわけでございます。本当にそういう一つ一つの努力が今日の大田区政を支えてくれたと、このように考えております。また、関係者の方々、議員の皆さん方、当然あるときにはおしかりもいただきました。あるときにはお褒めもいただきました。そういうものを一つ一つ力として今日まで歩んでまいったわけでございます。  今、おおたプラン2015、安心・輝き・潤い、そういうテーマを掲げながら区民サービスに対応していただいております。今後とも職員が一丸となって区民の幸せを願う、そういう大田区役所であり続けてほしい、このように願っております。心からのお礼を申し上げたいと思います。  次に、改選を目の前にして、今回の予算、骨格予算という概念とどうなのかというご質問をいただきました。財源確保がある程度できている、またそういう制度をつくり出してきた、そういう気持ちがあります。それといま一つは、区政は停滞することを許されない。継続して、そして区民の皆さん方の期待にこたえていくべきであると。したがって、全く新しいものは別として、かねて来、多くの方々からご要望をちょうだいし、そして財源が許すならば何とか実現したいと思っていた課題は多々ございます。それらに対して、今回予算を編成する中で、区民生活と深いかかわりがあり、中断することがまずい、そういうものについては予算化をさせていただきました。この継続をして区民生活に支障をもたらさない、そういう予算とご評価いただけるならば、私としての最後の予算編成は誤りではなかった、このように考えます。  次に、基金の積み立てでございますが、空港については先ほど来もご質問がございましたが、区民と空港ともに共存できる関係をつくり出す、それが私の願いでございました。議会事務局長で奉職していたころに空港の撤去決議を行いました。それは安全と騒音が守られない限り空港の撤去を求める、こういうものでございます。それから沖合展開事業が進み、そして空港利用者の利便性がより高まる空港に発展をしてきたわけでございます。そういう観点から言って、空港との共存、そしてその経済的波及効果が区民の生活にも及ぶ、そういうことを私としては考えの中に入れております。それはなぜかといいますと、羽田空港から国際線が移転した後、羽田のまちがすごい寂れ方をしました。直接的な業務に従事していたタクシー、クリーニング、アパート業者、食堂、弁当屋さん、そういう方々は大きな被害を受けた。経済はそのような波及効果を及ぼすものでございます。今回の経済循環というものを考えたときに、羽田空港のもたらす波及効果が大田区の発展の一翼になるならば、このような考え方を片方では持っております。  現在あそこで従事している方々は1日6万人を超えると言われております。そういう点から考えても、これからの空港の持つ経済性、そういうものを十二分に大田区としてその発展策を考えていくべきである。そのときに、ただ単に利益を追求するということではなくて、共存するために区民と空港、そのかけ橋になるような施設づくりをしていった方がいい。それは既に発表しております跡地利用計画、それの中に弁天橋プラザというような形で表現をさせていただいております。基本的なそういう認識の中から今回の基金設定をさせていただいたものでございまして、急に思いついてつくったものではございません。  次に、子供を産む意思、それはご夫婦の問題である。当然のことでありますし、この世に命を受けたお子さんが立派に成長する、それは家族の責任と同時に社会の責務でもあろうと私は考えております。そういう立場から、各種の施設の整備、相談体制の確立、あるいは医療費助成制度の充実、また子育て支援センターの建設、こういう形であらわさせていただいております。  19年度予算には、区内3番目となる施設でサポートを開始していきたい、こういう予定で建設費も盛り込ませていただいております。子育て家庭を取り巻く社会経済環境というのは当然考えなければならない、このような立場から安心して子供を産み育てる条件を充実する予定を組ませていただきました。  次に、耐震診断、耐震補強の問題でございますが、残念ながら、平成18年度の予算を組み、かなりPRをしたのですが、反応が余りなかった。システムの構築がまずかったのかなと。それから建築士会だとか、いろんなところとご相談をしてサポートをお願いすることにいたしました。また、内容的にも少し改善を加えさせていただきました。今日現在、申請受理件数327件でございます。ただ、情報の浸透策としてはいまいちなのかな、もうちょっと多く関心を持ってもらいたいものだと、このような気持ちを持たせていただいております。まだまだ利用件数が伸びていない状況でございますけれども、今後はマンションの耐震診断助成なども検討すべき課題の一つであろう、このような認識でおります。  最後に、小規模多機能型居宅介護制度でございます。この小規模多機能型というのは、登録定員が20人前後、そして日中の通いを中心として、利用者の状態、希望によって随時訪問したり、あるいは泊まりを組み合わせる、そういうサービスを提供する施設でございますが、羽田六丁目に1か所、今年度でき上がりました。開設されています。しかし、区民の方々のご理解とご協力をいただかないとなかなかうまくまいりません。相談は何件か持ち込まれているのですが、具体的にサービス給付にまで結びつく相談がまとまったということは今のところ残念ながら1件でございます。将来的には、お年寄りの方々により身近な施設として区民の皆さんのご協力をいただきたいものだ、このように考えております。 ○副議長(高橋博 君) 次に、39番奈須利江議員。                     〔39番奈須利江君登壇〕(拍手) ◆39番(奈須利江 君) ネット・無所属連合を代表して質問させていただきます。  地方主権を確立し、地方自治体がみずからの責任とみずからの財源で行政運営を行っていくために行われた三位一体の改革でしたが、十分な税源移譲と自治体の役割の増加につながったでしょうか。政府の新地方分権構想検討委員会委員長、神野直彦東京大学大学院教授は、「改革で重要なことは、目指した目的を見失わないことである。日本国民が分権社会を目指したのは、1993年の国会決議にさかのぼる。その目的は、ゆとりと豊かさを実感できる社会を実現することにあった。それは、日本社会の目標について、成長優先から生活重視へと転換することを意味していた」「政策目標を生活重視へとかじを切るとするなら必然的に地方自治体の役割を高めなければならない。それが地方分権の目的だった」と言っています。  分権改革によって大田区の施策は成長優先から生活重視へと転換してきたと言えるでしょうか。また、今後さらに分権を推進していくために、新地方分権構想検討委員会では、第2期分権改革のテーマを住民自治であると明記しています。生活重視の政策は、自分たちのことは自分たちで決める住民自治を前提に実現していくものでなければなりませんが、果たしてこの4年間に大田区の住民自治はどれほど進んだと言えるでしょうか。  初めに、建築物の耐震、まちづくり施策について質問します。  昨年秋に行われました区民の大田区政に関する世論調査において、大田区の施策の中で特に力を入れてほしいと区民が挙げた第1番目は高齢者対策、2番目は防災対策、3番目は緑化推進でした。  阪神・淡路大震災以来区民の関心の高かった防災対策ですが、平成14年には一たん5番目にまで落ち込みましたが、その後、平成16年に行われた調査で2番目に上昇し、平成18年の今回は、前回の調査に比べ6ポイントも増加しています。  政府の地震調査委員会が2004年8月23日に、南関東直下でマグニチュード6.7から7.2の地震が起こる確率は30年以内で70%、10年以内では30%と発表したこと、そして耐震偽装の第1号が大田区にあるグランドステージ池上だったことなどが影響しているのかもしれません。  耐震偽装の問題は、二つの課題を私たちに示してくれました。一つは、建物の安全を保証すると思われていた建築確認の制度が建物の安全を守る制度として不備であったこと、そしてもう一つは、建物の耐震強度不足は偽装物件だけでなく、1981年以前の旧耐震基準の建物においても同様で、それらの建物の安全をいかに確保していくかという問題です。  1981年に建築基準法が改正になりました。耐震基準が現在の基準に満たない、いわゆる既存不適格建物の合計が大田区内だけでも約7万棟あります。この旧耐震基準の建物は、現在の耐震基準の5割程度の強度しかないと言われています。これらの建物の耐震強度を新耐震基準にまで引き上げようと、昨年の4月より耐震診断と耐震改修についての助成制度がスタートしています。  昨年の予算特別委員会においても指摘させていただいたとおり、旧耐震基準の30年程度、あるいはそれ以上の古い建物のために費用を投じて新耐震基準をクリアすることは困難で、診断を受けても建て替えを待つという結果になることがほとんどです。ビルのオーナーなどの場合には、耐震診断をすることで強度不足が明らかになり、建物の価値が下がるのを嫌うという傾向もあります。しかし、旧耐震基準の区内7万棟の建て替えは年に1%から1.5%。建て替えを待っていたのでは防災に強いまちづくりは何十年もかかってしまいます。  今回の補正予算で、耐震助成に関する予算は耐震改修につながらなかったために減額補正されています。一方で、平成19年度予算には、また補正前とほぼ同額の予算が計上されています。区民の生命を守るために必要な施策であるという認識であり、今年度また計上するのであれば、利用度を上げるための何らかの改善策が示されるべきです。しかし、昨年、簡易な無料診断導入と改修費用のアップは行ったものの、結果として利用促進につながっているのは無料診断のみであり、さらなる工夫をしなければ建物の耐震強度を高めることにはつながりません。  例えば、区民の生命を守ることに主眼を置き、建物内にいる人の脱出経路を確保するための制度として位置づけ、建物の一部改修についても助成をする。あるいは現行どおり緊急車両の進入、避難道路の確保に主眼を置くのであれば、現在の制度は残しつつ、優先順位を明確にし、大田区において重要避難路の指定をし、その沿道の耐震補強を進めるなど、計画的に整備を行っていくことが重要です。  例えば、東京都では、都地域防災計画(素案)の中で、第一京浜など緊急輸送道路沿いの建物を100%耐震化するとしています。大田区内の避難所や病院からこの東京都の緊急道路までの耐震化を優先的、計画的に行うことにより、緊急車両の進入や避難所への物資の輸送などを円滑にすることができますが、いかがでしょうか。  先ほどの質問と重なってしまいましたが、具体的な提案もさせていただいておりますので、さらに踏み込んだ答弁をお願いいたします。  この4月より第三者機関が設置され、そこが構造計算の再計算を行うようになります。昨年提案させていただいた自治体での抜き打ち検査ではなく、全件再計算をすることになります。今回の議案にも、この建築確認の再計算のための費用として手数料条例が上程されています。手数料について国土交通省は、営業努力で売り主が負担することもあり得るが、最終的には購入者の負担になるのではないかと話しています。事業者の悪意の偽装の結果、安心・安全な建物を得るために消費者が負担させられる形になりましたが、これもきちんと機能していかなければ全く無駄な費用負担になります。  民間より自治体検査の方がすぐれているということでは必ずしもないと国土交通省の幹部のコメントが新聞報道されるように、東横インの不法改造など、自治体の監督能力を疑わせるという指摘もあります。こうした指摘を払拭するためにも、また第三者機関の全件再計算が有効に機能するためにも、検査機関に対する監督権限を大田区が持つことになったという意味でも大田区の役割は重大です。  一時のマンションブームのような大規模マンションの建設は落ちついたものの、区内はあちこちでバブル期をほうふつとさせるような建設ラッシュの状況です。良好な住宅地域であると言われている地区においても、200坪の土地に11軒が建ってしまったり、突然周囲のまちなみに合わない高さの集合住宅が建てられたりと、地域のまちなみを大きく変える建築物が次々と建設されています。  地区計画をかければよいと一口に言いますが、行政がお墨つきを与えている再開発事業においてでさえ住民の間での合意形成が困難な状況の中で、地域の70から80%の合意を取りつけなければならない地区計画の策定がどれほど困難であるかは想像にかたくありません。まして、その計画が土地の利用を促進するための、つまり財産価値を高める建ぺい率や容積率をアップさせるものや、密集地域における避難経路を確保する防災対策であればともかく、景観や良好な住環境を守るためのものである場合には、その土地が居住用なのか、事業用なのかによっても利害が異なってくるため、さらに困難になります。  一方で、区は臨海部に産業廃棄物業者が集中する傾向にあることを認識し、産業廃棄物処理業を大田区の基幹産業にするつもりはないと都市計画審議会において当時の助役が答弁しながら、その後も臨海部のまちづくりについての何ら方策は示されていません。莫大な費用を投入し臨海部の土地利用についての調査を行ったにもかかわらず、いまだに産業廃棄物処理業者がふえ続けていることを容認しています。住民参加で地域のマスタープランをつくり、そこに必要であれば条例によって拘束力を持たせ地域特性を守る。地域住民が目指すまちなみに地域を誘導していくための施策を講じるといったことが重要であり、住民主導のまちづくりのコーディネーターでありアドバイザー役になる、それが分権時代の地方自治体の役割なのではないでしょうか。  大田区としての地域の特性に合ったまちづくりについてどのように考えるのか、地域で現実に起こっているこうした問題をどのように考えているのか、お伺いします。  次に、分権化時代の行政運営について質問します。  分権の流れの中、多様な住民ニーズにこたえるため、そしてまた効率的な区政運営のために、民営化や民間委託、指定管理者制度の導入などがこの4年間でさらに進みました。それでは、民営化によって区民サービスは向上したのでしょうか。成長優先、つまりは経営効率化優先ではなく生活重視になっていたのでしょうか。  指定管理者制度導入に伴い、区の施設をどのような形態で管理運営するのがいいか、大田区としてのビジョンを示さなければならない時期に来ていると繰り返し質問させていただいております。区長の答弁は設置条例に書いているということでした。設置条例は、その施設が何をするかという基本的な位置づけであり、それがあるからよいというのでは、事業内容は定款に書いてあるから営業方針や戦略は必要ないと言っているのと同じで、経営者として役割を果たしたことにはなりません。  現在の民営化――まとめて民営化と申し上げますが――では事業者頼み、たまたま選定された事業者がすぐれていればその施設の運営は良好であり、そうでなければ単なる安上がりの民営化にしかつながりません。民営化に当たって、その施設を地域としてどのように活用充実していくか、それを大田区として明確にした上で初めて運営方法の検討、運営主体の選定、業績評価があるのではないのでしょうか。  政策入札という言葉が一般的になってきました。私も、事業者の選定においては、単に経済効率性や知識、専門性、技術の有無などのみで選定することなく、CSR(企業の社会的責任)もまた、その選択の一つの指針とする政策入札について再三提案をさせていただいております。  多様な活動主体との連携・協働が進められていく中で、これまで行政が担ってきた役割をNPOや企業などとともに担っていくことになります。自治体という、まさに社会、地域に対しての貢献をその存在理由としている主体が、それまで担ってきた事業を単なる経済性や効率性重視でバトンタッチしていくことについては大きな問題があります。  CSRについて質問させていただいた2004年の第4回定例会における区長の答弁は、社会的責任についての問題意識は当然持って参画をしていただくという事業者任せの消極的なものでした。しかし、事業者任せの社会的責任では、実際の選定内容や事業内容に全く反映することができません。今後、公を担う事業者選定の際には、法令順守や情報公開、従業員の勤務形態、福利厚生、女性の雇用の状況と積極的活用のための取り組み、障害者雇用、人権問題、消費者、区民対応、環境に対する配慮、地域との共生、社会貢献活動に対する理解などなどといった項目も選定基準として具体的に盛り込む政策入札を行うべきではないでしょうか。  昨年の12月に議決された図書館の指定管理者としての事業者選定に当たり、財務内容の第1次審査に、唯一の民間選定委員であり、財務内容をチェックする専門家である公認会計士が欠席しています。これは、選定そのものが形骸化していることをあらわしているよい事例です。  今回の包括外部監査においても、指定管理者制度への移行について、監査の結果において次のような指摘があります。指定管理者の選考方法で公募しない理由は、平成17年8月25日の第2回選考会議以降に確定したにもかかわらず、その前の平成17年7月22日には既に特別養護老人ホームの候補団体への指定管理者選考における資料提出にかかわる説明会が開催されている。公募しない理由が確定する前に候補団体への説明が行われているが、本来公募しない理由が決定された上で行われるべきもの。これに対し担当課としては、推薦する基本的な考え方について議事録上いつの日に確定したかを示す明確な記録がないものの、選考会議の中での審査過程において出席者から同意は得られたものとの認識から選考手続を遂行したと説明しています。このことは、これまでの指定管理者の事業者選定が事業者ありきであったのではないかという点で問題です。  一方で、市民自治を進めていくためには、区民との情報の共有が大きな前提となります。区は、区の持つすべての情報は区民のものであるという認識に立ち、個人情報保護などの合理的理由のないもの以外は、結果情報だけでなく過程情報も含めた情報公開を進めていかなければなりません。老人施設の指定管理者制度への移行における公認会計士の指摘は、この決定過程の情報が公文書として存在しないという問題の指摘でもあります。  足立区では、今後、様々な区民の参加と協働の働きかけを積極的に推進し、イコールパートナーシップを構築していくためには、さらなる情報公開や情報の共有化が必要であるとして、具体的に区政の透明性を向上させる足立区区政透明化計画を策定しています。情報提供の基本を足立区では、わざわざ請求しなくても必要な情報が提供される、広く住民などに対し情報が提供される、よりわかりやすく情報が提供されるとしています。  平成17年の第3回定例会において、少なくとも予算に大きく影響するような判断は公文書として残すべきであると申し上げたにもかかわらず、区長の答弁の第一声は、みんな文書として残すのは非常に難しいという情報公開に対して消極的な答弁でした。重要な政策決定は、先進他自治体のように政策会議や庁議の場で検討、決定し、その議事録や検討資料は公開すべきです。大田区では、結果として判断基準になるものを情報開示しない、公文書として残っていない。このことは今回の包括外部監査委員からの指摘にとどまらず、大森北開発における土地交換の際の土地価格の不公表、西地域行政センター移転の際の意思決定過程の不公表の場面においてもあらわれています。  莫大な税金を投入して開発した文書システムを区民への情報公開と説明責任を果たすために活用するべきであるという質問に対しても、情報を悪用する人が出てくるので、庁内のクローズドのシステムとして活用すると答弁しています。当然、公開すべき文書は、個人情報保護など開示できない文書以外の文書であり、しかも、まず文書のタイトル検索から取り組んではという提案に対しても公開できないという姿勢は、区民への情報公開の姿勢としては問題です。図書館の図書のインターネット検索さえできていないことは、大田区のこうした姿勢を象徴しています。  決定過程の透明性の確保をしていくため、政策判断にかかわる文書は公文書として残すこと。区民にわかりやすく情報公開していくために、文書管理システムは職員のためだけでなく、区民のために活用していかなければならないと考えますが、いかがでしょうか。  大田区の区営住宅の飛散性アスベストであるヒル石の囲い込み工事は、私が指摘させていただいた結果、法令どおりヒル石を飛散性アスベストとして取り扱うことを明確にしていただきました。その後の工法選定については、大田区が主体となり、中皮種・じん肺・アスベストセンターの事務局長とともに検討しています。  工事管理に際しての貢献が少ないにもかかわらず、公費の10%が管理費として東京都住宅供給公社に支払われました。適切に管理をしていない公社に管理費が支払われたことも問題ですが、公社はその後、大田区下丸子、板橋区蓮根などの都営住宅のヒル石囲い込み工事において、ヒル石の吹きつけられている天井に穴をあけるなど、アスベストを飛散させるおそれのある法令を守らない工事を行っており、区営住宅での経験を生かすどころか、アスベストに対する知識が不足しており、認識も著しく低いことが判明しています。  大田区は、区営住宅の指定管理者に東京都住宅供給公社を公募せずに選定しています。選定理由として、区営住宅を周知し専門的なノウハウを有するとしていますが、選定理由として挙げていた専門的知識とは一体何だったのでしょうか。アスベストが使われている建物を管理する事業者として当然持っていなければならないアスベスト関連の法的知識や工法に対する認識が欠如していたと言わざるを得ません。  例えば、こうした指定管理者としてふさわしくない事業者を選定した場合、次の選定にはどのように反映されるのでしょうか。  事業者の評価が客観的に行われるとともに、次の選定に際して、その評価が新規参入事業者と比較できる状況をつくっていかなければならないと考えます。事業者の評価と次の選定についてどのように取り組むのか、具体的にお答えください。  また、区では、例えば指定管理者の指定に関して、公募を行わず選定している事業者があります。最初から特定事業者を視野に入れた選定ではなく、政策入札の考え方を取り入れ、必要な事項、機能を満たしている事業者を幅広く公募することにより、よりよい事業者選定が行われると考えます。また、政策入札を取り入れれば、単なる価格競争にはなりません。競争のない事業者選定は行うべきではないと考えますが、いかがでしょう。大田区としての随意契約の基準も含めて明確にお答えください。  最後に、環境政策について質問します。  京都議定書が発効して2年になりましたが、6%の削減目標を達成するどころか、現在も温室効果ガスは増加しており、地球温暖化はさらに深刻な状況になっています。大田区ではすべての小中学校への冷房の設置が終了しますが、暑さ対策をエアコンだけに頼ることなく、学校の緑化や省エネ仕様の校舎など総合的な温暖化対策により、少なくとも排出量分の、そしてさらなる温暖化ガスの削減をするなど、具体的な数値目標による温暖化ガス排出抑制策が求められます。  こうした状況の中、大田区の清掃分野では、廃プラスチック焼却のモデル地域がさらに拡大しています。私は、プラスチック焼却の方針発表に対して、燃やす前に容器包装リサイクル法でプラマークのついているその他プラスチックのリサイクルを大田区として拡大すべきと提案しています。今回のプラスチック焼却は、温暖化ガス、ダイオキシンの排出量増加、ごみの発生抑制が働かないという点でも大きな問題です。  区長は、昨年、生活者ネットワークが行った23区区長に対する廃プラスチックの焼却に関する意向調査に対し、必要と思うが当面取り組むつもりがないと答えています。経済性を考慮するというコメントもありますが、議会答弁ではコスト計算を意味のない作業であるとしています。民間企業が経営方針の変更、選択をする際に、コスト計算なしに行うことがあるのでしょうか。コスト計算なしにプラスチック焼却の経済優位性を語ることができるのでしょうか。単なるリサイクルの取り組みでは当然コストはアップしますが、ごみ削減による清掃工場の削減と容器包装リサイクル法の拡大による排出抑制により、最終的には経費的にも優位にならないでしょうか。中長期的展望で考えれば、ここでリサイクルを行わなければ、ごみ問題はさらに悪化するばかりです。  先日、大田清掃工場の建て替え説明会が行われましたが、焼却能力に対する適正ごみ量の把握があいまいで、質問に対し、東京二十三区清掃一部事務組合は明確な数字を示すことができませんでした。清掃工場の施設整備計画は、各区から出されるごみ量に大きく影響されるわけですが、容器包装リサイクル法のその他プラスチック、シャンプーやリンスのボトル、お菓子の容器などのその他プラスチックのリサイクルをするかしないかによって、年間40万トンものごみ量の相違があります。現在、23区のうち既に9区がシャンプーやリンスのボトル、お菓子の袋にプラマークのついている容器包装リサイクル法対象のその他プラスチックのリサイクルを行うと発表しています。  施設整備計画では、大田清掃工場は日量600トンの炉が2基。一部事務組合の出す年間稼働日数293日と焼却余力7%で計算すると、約32万7000トンという膨大なごみを処理できる工場です。日量300トンの多摩川清掃工場もあわせると、年間で40万トンのごみが処理できることになります。大田区で排出するごみ量が20万トン、他区のごみの搬入を考慮しても、果たしてこれほどの大規模の焼却工場が現時点でも必要であると言えるでしょうか。次々とリサイクルに取り組む区がふえていく中、前提となっている受け入れごみ量も大きく変化している現状で、平成22年の建て替えは必要なのでしょうか、根拠もあいまいです。工場建て替え規模の縮小を大田区として求めるべきです。  区民への説明も十分行われないままに、生産と消費から廃棄に至るまでのシステムに影響を与える、そして大量生産、大量消費、大量廃棄に拍車をかけるようなプラスチック焼却を導入してよいのでしょうか。大田工場の縮小のためにも改めて質問しますが、速やかに容器包装リサイクル法に定められているプラスチックのリサイクルに全面的に取り組むべきです。  質問項目に沿った明快な答弁を期待して質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(高橋博 君) 理事者の答弁を求めます。 ◎区長(西野善雄 君) まず建物の耐震改修等について、一部改修というやり方を導入してはどうか、こういうことでございますが、建物自体、耐震度がなければまずいわけで、一部分を改修することによって他への影響というものが当然出てくるわけでございまして、そこだけが強くなって逃げ道だけを確保する。そうすると、常にその人はそこにしかいられないという状況になってしまいますから、建物そのものが耐震化されなければいけない、このように私は考えます。部分的な改修というのは必ずしも目的に合致するものになり得るかというと、多少疑問が残るのではないか、このように思います。  次に、都指定の緊急道路から避難路へという、そういう位置づけをして、そしてそこは強制的にある程度耐震化を進めたらどうかというようなご趣旨だと思いますが、特定の道路に至る道路沿いだけ耐震化を限定してやるという考え方にはなかなか立ちにくいと私は考えております。あくまでもそれぞれ個人の方々の所有物、私権というものが絡んできている我が国の制度下でございますので、それを実現していくというのはなかなか難しいかと思います。  そういういろいろな事例を挙げられて、分権というものについてどういう理解をしているのかと。当然より身近なところで身近な問題を解決していく、またお互いが支え合える、そういう社会をつくろう、こういうことですから、豊かさとか、あるいは満足できる、こういう社会を目指している、こういう観点については、私も全く同じように地方分権の推進については理解をしている一人でございます。そういう立場から考えて、私権との整合性をどう図りながらご協力を願っていくか、そこが地方行政としての難しさではないかと思います。  そこで、ミニ開発その他、それを積極的にとめてしまうということは、現法令の中ではちょっとできない仕組みになっているわけでございまして、法的拘束力をある程度持つというのは、地区制度ということに私どもとしては落ちつかざるを得ない。地区制度の指定は非常に難しい条件をクリアしなければなりませんけれども、法的拘束力がないと、ある条件を満たせば許可をしなければいけない。許可をしなければ不作為で訴えられる、こういう法体系になっておりますので、その辺はご理解を賜わりたいと思います。  また、検査機関としての区のあり方について、やはり能力を高め、アドバイザー役になる、そういうような気概を持って取り組むべきだ、こういうご指摘については、従来からも区の職員の能力アップ、そういうことについて努力をしてきたところでございます。  大田区の池上の問題についても、最終的な図面がないがために、結論はどちらが悪い、こちらが悪いというようなところが出し得なかったことは非常に残念でございますけれども、私も提供された図面を拝見して、大田区の確認がないものがずっととじられていた、こういう事実を見て、大田区の確認のある部分とない部分、そういうところが差し替えられたのかな、そういう気持ちを持ちました。いずれにしても、能力をアップして、そして検査機関としての機能は十二分に発揮できるようなことが望ましい、このように考えております。  次に、民営化に当たって、その施設を地域としてどのように活用、また充実していくか、そういう観点からやるべきである、こういうことで、政策入札という言葉で表現された手法を取り入れてみないか、このようなご提案がございました。運営主体の選定に当たりましては、いろいろと創意工夫を凝らし、お客様のサービスに努めていく事業者をいかに選定するかという努力を行わせていただいております。また、その結果において、それぞれの部局において業績評価を行い、どうもいろいろなご意見ばかりが届くような業者については積極的に注意をすると同時に、次の機会には厳重な注意ばかりではなくて、時によってはその業者を外すというようなこともあえてさせていただいているところでございます。  また、事案によりましては、当然事業者としてその施設をいかに運営するか、みずからの発想と努力によってこういうことをやってみたい、プロポーザルのような提案をいただきながら、その選択をしているものもございます。  当然私どもとしては、ご指摘のございましたように、法令順守あるいは従業員の問題、女性の雇用とか障害者の雇用の問題、そういうことについても契約書といいますか、事前案内の段階で条件づけをするものもございます。ただ単に経済性とか効率性のみを求めて、その相手業者を選定している、このようなことは私はしていない、そのように考えているところでございます。  また、事業者に社会貢献を誘導したり、他の政策目的を達成するなどの政策入札については、これらの項目だけではなくて、公の施設を運営するという責任感、またその姿勢、そういうものを適切かどうか判断の基準の中に入れさせていただいております。今後とも、種々の要素を加味しながら研究をし、より適切な管理者を選定できるような方向を探りたいと考えております。  そこで、事業者と区がイコールパートナーというような関係、また区民の方々が情報等について十二分に入手し得るようにしたらどうか、こういうことで、私がかつてすべての情報を保存し、それを提供することは困難でございますというご答弁を申し上げたのは、決定過程におけるメモとか記憶とか、いろんなものがあるわけでございまして、そういうものをすべて文章化しているかというと必ずしもそうなっていない。したがって、すべてを公開する、それは現時点では難しいのではないか、こういうつもりで申し上げておりましたので、既に文章化されているもの、そういうものについては開示することについては当然だと考えております。  その次に、区民にわかりやすい情報公開をしていくためには、文書管理システムでせっかく多額の経費をかけてコンピューターシステムをつくったんだから、それをもっとオープンに、だれでも見られるようにしたらいいじゃないか、こういうご提案かと思いますが、システムとしてオープンシステムは採用いたしております。だれからでもアクセスをされるということは、アメリカの国防省ですら改ざんをされたり、その文書が壊されたりということがあるわけでございますから、オープンシステムのコンピューター化は考えておりません。そういう形で職員が操作をし、ある程度のマスクをして、それで他からは侵入できないという仕組みでやらせていただいております。  しかし、確保されている情報の必要性を求められたときに、それをお見せしないということまでやっているわけではございません。どういうシステムになっているか、あるいはどういうものが保存されているか、そういうことについては当然公文書としては開示する性格にあると、このように考えております。ですから、アクセスのためのオープンというのと、収納されている情報を提供するということとはちょっと異なりますので、ご理解をお願いしたいと思います。そういう意味で、文書管理システムコンピューター化は十分に使いこなして、情報の提供そのものについては区民のご理解をいただく、ご期待にこたえられる、そういう方向で運用をしていきたい、このように考えております。  次に、事業者の選定についてのお話の中で、アスベスト工事、ヒル石等の問題から、東京都の住宅供給公社、これが事業者として適切であったのかどうか、こういうご評価と同時に、適切ではなかったのではないかというようなご意見をいただきました。今後、当然モニタリング制度などを十二分に活用して事業者の評価を行うとともに、新規の業者の提案、あるいは実績など情報も十分掌握しながら、次の事業者選定のために生かしてまいりたい、このように考えます。  次に、競争のない事業者選定は行うべきではないと。私も、せっかく仕事を発注するときに、複数以上の事業者が名乗りを上げてくれる、それを期待しております。しかし、内容によっては特定な1社しか出てこないというようなことが間々起こり得る、そういうのは非常に残念でございます。そこだけと契約をするというのはちょっと問題がある。もうちょっとPRをして事業者を探し出して、参加しないかというような声かけも行えるものならいたしたい、このようにも思います。指定管理者制度に基づく事業者の選定に当たりましては、法律等の規定もございますので、その指定手続等に必要な事項を条例で定めるものとされております。大田区におきましても、個別の条例で議会にもお諮りをし、基準等を定めさせていただいているところでございます。  質問のご趣旨は、そういう個々の問題ではなくて一般的なという意味だと理解いたしますが、その業務形態はそれぞれに異なりますので、一般的な基準を定めるということ、一律な基準で設定をしてしまうということがなじみにくいものが多々あるということは申し上げることができると思います。  随意契約等を行うときの基準につきましては、地方自治法などの法律を遵守しながら、大田区契約事務規則にのっとり行わせていただいているところでございます。  次に、清掃工場に関連してのご質問でございますが、平成12年から平成17年までのごみの総量の問題をまず申し上げたいと思いますが、家庭系の排出ごみ量は順次減少の傾向に向かっております。それは、古紙その他リサイクルというものと密接な関係がございます。経済の展開に伴いまして、事業系のごみ、これは確実にふえてきております。したがって、清掃工場に持ち込まれる家庭系、事業系のごみを合算してみると、この間、平成12年から17年ですから6年、10万トンの減少という結果になっております。それで、事業系のごみが多少ふえて、家庭系のごみが減っている。そして、家庭系のごみの減少の原因は、古紙その他のリサイクルの影響を大きく受けている、このように私としては一定の評価をさせていただいております。したがいまして、経済動向その他によっては、ごみ量というものはある程度のラインで落ちついた傾向、今、大体350万トン前後で推移をしております。二十三区清掃一部事務組合といたしましては、それを正確に燃焼させていく、そういう方向で計画化をさせていただくということでございます。その中で、当然大田の清掃工場につきましても、老朽化の問題とか非効率化の問題があるので、建て替えの話題になってきたわけでございます。  それで、大田の場合には、不燃物と可燃物と二つの工場、第一工場、第二工場に分かれておりますが、中防に不燃の工場ができ上がりましたから、そちらの方にある程度動かすということが可能になります。そして可燃の持ち込みごみを、大田の工場を改造することによって23区の需要に対応させるようにしていこう。清掃工場というのは365日燃えているわけじゃないんですよね。ですから、常にどこかの工場が休んで修理に入っているんです。そうしますと、焼却能力350万トンですべてイコールになるかというと、そうならない。希望としては10%から15%の燃焼余力を持ちたいというのが前提にございます。かなり厳しい状況で運営をしている実態も時にはございますけれども、理想的にはそういうことを念頭に置き、清掃工場の改修計画をつくっているのが現状でございます。  そこで、その他のプラスチックごみ等の収集については、容器包装リサイクル法その他でもうちょっと有効な計算ができるのではないか、こういうことで試算を行わせましたが、収集、運搬、処理、処分をしていく過程の中で、そこにかかる経費と引き取らせた後で出てくる経費、それとの差っ引き勘定では全く計算が合わない、そういう状況になっているので、今回はリサーマルという方向で選択をした、こういうことでございます。 ◆16番(松原茂登樹 君) 副議長、16番、議事進行の動議について。 ○副議長(高橋博 君) 16番松原茂登樹議員。 ◆16番(松原茂登樹 君) 本日はこの程度をもって質問を打ち切り延会とし、明2月23日午前10時より会議を開き、質問を続行されることを望みます。                    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(高橋博 君) ただいまの動議につきましては所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。  16番松原茂登樹議員の動議にご異議ありませんか。                   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(高橋博 君) ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。  ただいまご着席の方々には改めて通知はいたしませんので、そのようにご了承願います。  本日はこれをもって延会といたします。                       午後5時41分延会...